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Organization Development Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

30-40代のマネジメントビギナーホイホイとしての「ドラクエに学ぶチームマネジメント」

沢渡あまねさん著、湊川あいさんイラストの「ドラクエに学ぶチームマネジメント」を読みました。

ドラクエに学ぶ チームマネジメント

ドラクエに学ぶ チームマネジメント

現在41歳で、子ども時代をドラクエと共に過ごしてきた私にとって、とても馴染みやすい書籍だったので、記事を書くことにしました。

どんな本?

主人公と同僚たちが様々な問題にぶつかり、解決していく物語です。
トピックごとにマネジメントにまつわる重要な要素がストーリーパート+解説パートを元に説明されていく本です。
ストーリーは様々な問題をはらんだ日本企業の典型例といった設定のため実際に「あるある」という気持ちで読めるのが良いところだと思います。

主人公が仕事中の悩みを抱えた状態で家に帰ってドラクエをプレイすると、ドラクエでの出来事を抽象的に捉え、閃きが起こり、仕事における現実の問題の解決策につなげていくというのが特徴的な本です。
ファミコン時代のドラクエがベースになっているので、おそらく 30 - 40 代くらいのちょうどマネジメントの仕事についたばかりで、これからよりよく仕事をしたいと思っている人がターゲットと予想され、そういった人たちにとって馴染み深いメタファになりそうです。

この今ぶつかっている問題と真剣に向き合ったあとに、ふっと気を抜いた瞬間に解決策を閃くのはマインドワンダリングを彷彿とさせます。
ゲームをやっている状態はあんまりマインドワンダリング的ではないですが。

tbpgr.hatenablog.com

ちなみに、未知の物事に関して、その対象の理解の壁を突破した先に訪れる理解の瞬間をエウレカ(アハ体験)と呼び、その直前の壁を mental fixation と呼びます。
エウレカアハ体験)は有名だと思いますが、 mental fixation は割と耳慣れないと思います。少し調べましたが、定番の日本語訳はまだなさそうです。

以下、対象への熟考からマインドワンダリングを経てエウレカに至る未知です。

エウレカへの道

気になったトピック

私自身はマネジメントに関することを特別に学習したことはないのですが、全体としては日頃自分が気をつけて行っていることの再確認になりました。

特に気になったのはフロー評価とストック評価の項目でした。

-- 内容
フロー評価 売上金額、コスト削減など
ストック評価 社員の知識獲得、スキル獲得、ナレッジ共有量の増加など

フロー評価は分かりやすいだけに評価しやすいところですが、ストック評価は定量的に測定しにくいものであり、評価が難しいだけに評価対象外になっているケースが多そうです。
しかし、長期的に考えると企業の競争力の源泉は社員の能力です。
社員がどれだけ新たな知識を増やし、新たにできることを増やし、それが社内に普及し、組織の仕組みとして取り込まれていくか。
これによって、その組織のアウトプットの質が変わります。
そのため、短期的には売上・利益に貢献できていないように見えるかもしれませんが、新たな知識・スキルを増やし、それを積極的に広める社員をきっちりと評価していくことは非常に重要です。

まとめ

なにか特定の概念は、特にその領域に不慣れな場合において概念の説明だけでは理解が難しい面があります。
その意味で、概念とそれを表す現実の場面を結びつけた説明はその領域に不慣れな人に対して重要であり、そういった説明ができる書き手の価値は高いのだろうと感じました。