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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

間接的な貢献の実感

人事の業務は企業の仕事において最終的に顧客に提供する価値から見て間接的な貢献になります。 マネジメントの仕事も同様です。

こういった、間接的な貢献をする仕事をしているケースにおける貢献の実感について整理します。 なお、あくまで私にとっての貢献実感の話で、どこに貢献の実感を持つかは人によると思います。

間接的な貢献の実感に必要なもの

私にとって、間接的な貢献を実感するために必要なものは以下の2つだと考えています。

  • 最終成果とのつながりを理解すること
  • 最終成果にいたる道のどこまで進んだか確認すること

最終成果とのつながりを理解すること

自分が担当している仕事は単に独立した作業や部品として存在しているわけではありません。 企業の活動である以上、最終的な顧客への貢献に向けて必要な要素の一部になっています。

そのため、最終的な成果とのつながりへの理解が重要になります。

例えば、直近、自分は人事評価制度を担当しています。

人事評価制度は主に

  • 人材を育成すること
  • 方針を明示すること
  • 貢献に報いること

という目的を持っています。

例えば、「人材を育成すること」に関しては

  • 等級定義によって成長の階段を確認可能にする
  • 成長の階段を元に、実際に現場での育成が行いやすくなる
  • 人材が成長しやすくなった結果、より大きな価値の成果を出せる社員が増え、事業成果が上がりやすくなる

というようなつながりがあります。

最終的な事業成果そのものは多変数なので、人事評価制度の影響で成果が高まったかどうかの確認は困難です。 一方で、人が成長し、事業成果を出すために必要なマインドや能力を身に着け、実際に個別業務で活用できているのであれば、成果を高めることにつながるはずで、そこまで実現できた段階で貢献と言えるはずです。

なお人事評価制度については、以下にまとめたので詳しくはこちらを参照。

最終成果にいたる道のどこまで進んだか確認すること

自分が担当している業務と最終的な成果への道筋が理解できたら、次は実際にそれが実現できているかの確認です。

引き続き人事評価制度における人材育成の目的にフォーカスして例を考えます。 道筋としては

  1. 評価基準が実際に事業成果につながる内容を元に作成されていること
  2. 評価基準を評価者が理解していること
  3. 評価者による説明を通して、被評価者が評価基準を理解していること
  4. 評価者と被評価者で評価基準で記されたマインドや能力に関する現在地を把握する
  5. 評価者と被評価者で現在地を踏まえて次にどこを伸ばし、どこに至るかを話しあい、目標を立てる
  6. 評価期間を通して目標に対して取り組む
  7. 評価期間中に、被評価者が障壁にぶつかったら、評価者が必要な支援を実施する
  8. 取り組んだ結果として評価基準に定められているマインドや能力が伸びている
  9. 伸びたマインドや能力が実際に現場で発揮される

ここまで確認できれば、想定される成果が実現したことになります。

なお、人事評価制度の場合は全社の施策になるため、「どのくらいの割合の部門や社員で実現しているか?」も成果確認の対象になります。

まとめ

間接的な貢献の実感について私の場合の考え方をまとめました。

なお、間接的な貢献は必ずしも最終的な成果につながるところまで行かないと得られないわけではありません。 例えば、最終成果に到達するまでの道のりが長い場合、一つずつ障壁をクリアし、前に進んでいることが確認できることでも一定実感できます。 特に長期の取り組みをしないと最終成果に至りにくい取り組みを担当している場合、0か1かで最終成果に到達しないと貢献の実感を得られないようだと気持ちが続きません。 ちょっとした進展も喜べるようにするためにも、最終成果への道のりを詳細に自覚し、いまどこまで進むことができているかを把握していきたいところです。