Tbpgr Blog

Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

隠れスター社員を逃す企業の意思決定

価値ある仕事をしているが、特に評価をされないため、その価値に対して疑問を持ってしまっているという状況を SNS で目にしました。

そこで、課題の重要度・緊急度と価値・評価の関係について考えてみようと思います。

重要度と緊急度

-- 緊急度低 緊急度高
重要度低 A B
重要度高 C D

一般的に仕事においては、重要なことを優先すると成果につながります。
重要なことは例えば、

  • 大きな売上をもたらす
  • 大きな生産性向上につながる
    • 利益率があがる。ビジネスのスピード面での価値があがる
  • 組織内の社員の能力が向上することにより、そこから派生した業務の質が大きくあがり成果があがる

などの業務をイメージしています。
その中で、締切の制約や先行利益を目指すなどの理由で緊急度が関わってきます。

この際に、重要度の観点が弱いと緊急度だけで物事が判断されるようになります。
そして緊急度が低く重要度が高い課題が放置されます。
表でいう C の課題です。

そのため、 C が放置されないように考えると

  1. 問答無用で D はやる
  2. 状況を踏まえ、 B と C のバランスを考えて取組内容を選定する

というのが理想解になると思います。

これが達成されるためには

  • 緊急度・重要度の認識が共有されている
  • 評価が重要度に応じてなされるようになっている

という前提が必要であると考えます。
やっても組織内で価値を認められないことをやる人は少数派です。
(もちろん、個人の経験にはなりますが)

価値と評価

評価基準/評価の可視化有無 価値が可視化されていない 価値が可視化されている
重要度以外で評価する A B
重要度で評価する C D

ここで、評価について考えてみます。
評価は自身がだした成果を可視化し、それが評価基準と合致していた場合に得られるものとします。

例えば、緊急ではないが重要度が高い業務を行っていた人が居た場合に、 重要度で評価しない場合は、いくらそれを可視化して D にしても評価されません。
評価されるのは B になるためです。

まずは自分の成果を可視化する。
そのうえで出した成果の重要度に応じた評価が行われないのであれば、その組織においてはいくら価値のあることをしても評価が得られないことになります。

長期的な施策は成果の証明が難しいと思うので、説明する方も難しい面はありそうですけど。

まとめ

すべての業務が数値で成果を表せるようなものではないため、現実には評価との関係は難しい面が多いとは思います。
とはいえ、大雑把に説明してもかなりのインパクトがある業務だよね、というのは少し情報を整理してみせれば分かるものもあると思います。
逆にそれを見せても響かないのであれば、その場では評価を得ることが難しいのでしょう。

例えば、1,000 人の組織で全社員に影響する業務を 1社員 あたり 30 分 / 日の効果がある効率化をしたとして、それが全く評価に反映されないのであれば、おそらく生み出している価値や生産性に無頓着なのだろうと思います。
例えば年間 2,000 万円分の生産性向上をしてくれる人材がいたとして、その価値に気づかず給与を 400 万円で据え置いて離職される、というような出来事は割と多くあるんじゃないかなと思っています。 以上、隠れスターを逃す企業の意思決定のお話でした。

メモ - 2018/12/14 に「価値と評価」の内容を更新しました

のツイートで気づいて内容を変更しました。