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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

振り返りで出てきた改善をやる時間が足りない、という状況を整理した

ツイッターで「振り返りと余力」に関するツイートをした流れで、
考えを整理する機会を得ました。
そこで、

  • 振り返りの目的
  • マネジメントシステム
  • 二種類の業務
  • 組織・チームの3つのモード

について確認し、その上で振り返りがうまく実施されない状況について
改めて考えを整理してみます。

経緯

私の振り返りと余力に関するツイートをきっかけに、以下のようなやりとりがありました。
この流れで教えていただいた資料をもとに、振り返りによる改善がうまく実施されない組織について
考えをまとめることにしました。

振り返りの目的とは?

振り返りの目的とは、

企業価値を高め、
競争力を高め、
顧客への提供価値を高め、 従業員満足度を高めることなどによって
企業の安定した存続させること

だと考えます。
具体的には、振り返りによる改善によって

  • 新しい製品(サービス)を生み出す
  • 製品の価値を高める
  • 製品を作る過程を改善して利益率を上げる
  • 従業員の成長を促す

などの結果を生み出すことを想定しています。

マネジメントシステムとは?

「マネジメント」とは、運営管理あるいは運用管理と訳され、
「組織を指揮し、管理するための調整された活動」と定義されます。

マネジメントシステムに関する資料は以下です。

二種類の業務

組織には、組織の 仕事のプロセスを作る仕事
できた仕事のプロセスにそって 製品(サービス)を作り上げる仕事 があります。
この記事では前者を「 業務プロセス設計 」。後者を「 実工程 」と呼ぶことにします。

この役割は分業の場合もあるでしょうし、両方を行うこともあるでしょう。

前者の例としては、管理職が業務のプロセスをがっちり決めて
実際に製品を作る担当者は仕組み自体には関与せず黙々と製品を作り上げるケースです。

後者の例としては、現場発案で現場の仕事の仕方が変わるケースは両方を行うケースです。

「業務プロセス設計」と「実工程(通常業務)」の関係を図にしてみました。
「業務プロセス設計」は計画に対するネガティブな実績をもとに発見する計画的なものと、
個人の知見や閃きによってよりよくできることを発見する偶発的なものにわけてみました。

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組織・チームの3つのモード

書籍「エラスティックリーダーシップ」で組織・チームのフェーズを3つのモードで説明しています。

フェーズ 状態 リーダーの振る舞い
サバイバルフェーズ 余裕がなく問題をこなすだけの状態 指揮統制をする
学習フェーズ 各自が成長するための余力がある状態 コーチングをする
自己組織化フェーズ 各自が自律して行動できる状態 ファシリテートをする

ppworks さんの記事が詳しいです。

ppworks.hatenablog.jp

まとめ

組織が長期的に継続するためには振り返りによる組織力の向上と業務プロセスの改善が必要になります。
そのためには、振り返りによって発生する改善が必要であることを理解し、
そのための時間を見積り、確保する必要があります。

必要な手順として

  1. 組織力を継続的に高めていく必要性を理解する
  2. 1 のためには、振り返りによって学習する組織にする必要があることを理解する
  3. 振り返りによって学習をするためには時間を確保する必要があることを理解する
  4. 時間を確保するためには現状の業務で使っている時間を把握する必要があることを理解する
  5. 現状の業務で使っている時間を把握する - VSM を使うのが定石か?
  6. 振り返りによる改善のために必要な時間を把握する - これはやりながら精度を上げるイメージをしている
  7. 「業務プロセス設計」の時間を確保する
  8. 「業務プロセス設計」と「実工程」を実施する
  9. 振り返りを繰り返しながら改善していく

というような形になると想像しました。
この状態になっていることが、 「エラスティックリーダーシップ」でいうところの
サバイバルフェーズから学習フェーズに以降している状態だと考えます。

業務内容によるとは思いますが、初期に VSM を用いるなどして業務の流れを整理し、
フロー効率化を追求すること で時間を創出することができそうです。
もともとフロー効率化されているが実工程で全ての時間を使い果たしている場合は、
「実工程」に割り振る時間を減らし、「業務プロセス設計」の改善に割り当てる時間を増やす必要があるでしょう。

と、自分なりの理屈で整理してみましたが、あっているかどうかは知りません。
ツッコミお待ちしています。(特に実際に組織を育てている方からのツッコミ)

謝辞

そーさん、考える材料と材料をありがとうございます。
(まだ理解できていないかもしれませんが)

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