仕事において、意図的に成果が出る部分もあれば、偶発的に成果が得られる部分もあります。
意図的な成果
目標を立て、優先事項を明確にし、問題を明確にして取り組んでいくような意図的な物事の進め方は、安定した成果につながります。 一方で、その成果は意図した範囲のものです。
偶発的な成果
試行錯誤の結果や、たまたま発見した改善点、意外なキャリア機会の獲得や、人のつながりの拡大など、成果には偶発的なものもあります。
意図と偶発のバランス
仕事をするうえで、基本的な業務の中心になるのは意図的な活動を元にした成果です。平均的な成果を高めるには、地道に意図的な活動の質を上げるのが最適です。一方で、成果の最大値を高めるには、偶発を味方につけるのが最適です。
普段の業務の中心は意図した部分であるため、比率としてはこちらが多めに必要です。 とはいえ、成果の最大値を高めるきっかけも欲しいため、ある程度は偶発的な成果を生み出すきっかけは含めたいところです。
偶発はあくまで偶発であり、そこばかりに時間を使いすぎると全体の成果が安定しないため、程よい比率に留める必要があります。 そして、逆に安定を求めすぎて意図的な成果に向けた活動のみに時間を絞りすぎると最大値を上げるような偶発的な成果が生まれにくくなります。 このバランスを取りたいところです。
偶発的な成果を呼び込む工夫
偶発的な成果を呼び込む工夫には以下のようなものがあります。
工夫 | 内容 | 例 |
---|---|---|
自然発生的なコミュニケーション | 自然発生的なコミュニケーションが、新たな発想や解決策を生む | ・オフィスでの偶然の会話 - 共有スペースやカフェでの立ち話から、新しいプロジェクトやアイデアが生まれる ・オンライン環境での実践 - 雑談用チャットチャンネルやランダムな1on1の実施 |
試行錯誤や実験 | 成果が未知数でも、新しい方法やアイデアを試す | ・プロトタイプやMVPを作成して市場に出す ・小規模な実験プロジェクトを実施する |
多様性の活用 | 多様性を活用し、アイデア創出をする | ・異業種交流イベントやハッカソンの開催 ・年齢や職種、経験の異なるメンバーでのブレインストーミング |
外部との関係性の拡大 | 自チーム外の人々との交流が、新しいアイデアやリソースの発見につながる | ・他部署や他社とのコラボレーションプロジェクト ・業界イベントやカンファレンスへの参加 ・コミュニティの運営、参加 |
ふりかえり | 過去の成功や失敗をふりかえることで、新しい気づきを得る | ・チームでのふりかえりを定期的に実施 ・個人でのふりかえりを定期的に実施 |
知識や視点の拡大 | 新しい視点を得るための学び知識やスキルの幅を広げることで、思いがけないアイデアが生まれる | ・全く異なる分野の書籍や講義を受ける ・他業界や専門外の知識を学ぶ |
環境設計 | 偶発的な交流が発生しやいオフィスやオンラインの労働環境をつくる | 開放的なオフィスレイアウトや共用スペースを設ける ・他部署と共有スペースでランダムに会話が生まれる仕組みを作る |
なお、意図的に成果を狙う活動は多くの人にとって、日常的に関わっている部分であるため、ここでは触れません。