仕事においてその価値がわかりやすい活躍と、一見その価値がわかりにくい活躍があります。
その内容や、どうやってそういった振る舞いが継続して残り続けるかについて考えてみます。
例えば、豊富な知識から組織で初めて直面する問題に対する解決策の案をポンポン出してくれる人がいたとします。
この人の助力で解決されている問題が多くある場合、この人がいなくなったらきっとこの問題の解決速度は大きく落ちることになります。しかし、毎度たすけてもらっている最中にはその本当の価値は気づきにくいのではないでしょうか。
例えば、組織で問題が発生するとガンガン解決してくれる人がいたとします。この人の活躍はわかりやすいです。
一方、組織の問題が発生するのを未然に防いでくれる人がいたとします。この人はさらに価値が高い活躍をしてくれているはずですが、気づかれにくいです。
わかりやすい活躍
まず、わかりやすい活躍について考えてみます。
- 営業であれば売上
- 開発であれば機能の実現
- 採用人事であれば採用人数
などがあります。
これらはその有無や価値の大きさが確認しやすいです。
わかりにくい活躍
わかりにくい活躍について考えてみます。
- 数値として示しにくい業務改善
- 複数の要因が混ざりやすく、どの活動が成果に結びついたのか説明しにくい業務
- 同僚の意欲を高めることができた
- 同僚に知的な刺激を与えることができた
- 問題を未然に防ぐ
- 組織における好ましくない振る舞いを見つけ、好ましい振る舞いに導いた
などがあります。
これらの必要性を理解し、自らの意思でこれらを実施してくれる人が組織にもたらしている価値は大きなものでしょう。
わかりにくい活躍の継続障壁
わかりにくい活躍は価値があるにも関わらず、「わかりにくい」という特性から以下のような問題が発生しやすいです。
- 評価につながりにくい
- 価値があることをした、という承認の言葉や称賛の言葉をもらいにくい
- 行動をした本人にとってもその価値の大きさが自覚しにくい
- 他のわかりやすい成果に向けて使うはずの時間を消費する
- -> わかりやすい成果を求める関係者から見ると成果が小さくなったように見えるため、場合によってはダメ出されることも
というような障壁があるでしょう。
仮にこの障壁にぶつかりながらも継続できる人は比較的少数ではないでしょうか。
解決策
では、どうすればわかりにくいが価値のある活動が継続されやすくなるかを考えてみます。
大きく分けると活動者自身ができることと、周囲ができることに別れます。
- 活動者自身ができること
- わかりにくい活躍の価値に関する説明力を高める
- 周囲ができること
- 因果関係が入り組んだ物事を理解できる人が増えるようにする
- 自己認識力を高める。結果として他者の行動が持つ価値に対する認識力が高まる
- 学習する組織 でいうところのシステム思考に関わるようなお話とか
- 特にマネージャーの方が、わかりにくい活躍をしている人の価値を把握できるようにすること
- 個別に依頼するタスクの入り口と出口だけを把握するのではなく、進め方のプロセスも把握する
- 依頼していないがメンバーが自発的に例外的に発生した出来事についても把握するようにする
- わかりにくい活躍をしている人を見つけることができた人は、見逃さずに感謝する。承認する・褒める
- 因果関係が入り組んだ物事を理解できる人が増えるようにする
あたりがぱっと思いつくところです。他にもあると思います。
まとめ
組織の中で必要とされる活動には例えばOKRに設定されるような組織内の主目的からくるわかりやすい成果になる業務と、その行間にある価値がわかりにくい業務があります。
しかし、わかりやすい業務のみに注力しているとおそらく短期成果に集中しすぎてしまったり、組織の好ましい文化が薄まってしまったりします。
この人、実はすごいことをしているよね。大切な人だよね。そんな人が思い浮かぶのだとしたら、その人やその活動を大切にしたいですね。