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Organization Development Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

「実施スパンの長い組織施策」と「学習ベースの継続改善」のバランス

人事・組織領域にもアジャイルな取り組みの適用範囲を広げる、という話を見かける機会が増えてきているように思います。 一方で、人事組織の取り組みの全てに「短いサイクルによって素早く改善を継続するような進め方」を適用できるかというと、そうとも限りません。

そこで、

  • 実施スパンの長い組織施策
  • 学習ベースの継続改善

のバランスについて考えてみます。

実施スパンの長い組織施策

実施スパンの長い組織施策」は長いスパンで扱う必要がある組織施策です。 例えば

  • 評価制度の基本ルールの改定
  • 大規模な組織改編

などです。
これらは、頻繁に変更を繰り返すには影響が大きいため、大規模な変更は四半期・半期・年度などで行われることが多くなります。
この場合、締切を定め、次の期またぎのタイミングで取り込むことができる範囲での改善を実施してくことになります。

学習ベースの継続改善

学習ベースの継続改善」は経験をもとに短い反復サイクルの中で学習をし、質を高めていくような進め方です。 プロダクト開発におけるスクラムの活用が典型例ですね。

先ほど「実施スパンの長い組織施策」で説明した評価制度や組織改善に関わる内容でも、より短い期間、小さい範囲で取り扱うことができる対象もあります。

例えば、評価制度を例にして考えると、細かな運用に関わる部分です。 具体的には、

  • 目標設定の質を高めること
  • 1on1による期中の取り組みへの支援の強化をすること

などがあるでしょう。

バランスを取る

以上のように組織施策にはスケジュールベースで長期的に動くものと、期中に継続改善できる部分があります。 基本的には、できるだけ期中で改善できる範囲を増やすことが鍵になります。 例えば、小さい範囲で擬似本番環境を作り「模擬実施」と言うかたちで次の期の変更をお試しし、学習することもできます。そして、学習結果をもとに期の切り替わりのタイミングで「実施スパンの長い組織施策」側に適用していきます。

まとめ

  • 実施スパンの長い組織施策
  • 学習ベースの継続改善

のバランスについてまとめました。
私自身、現状うまく扱えているのかと言われれば試行錯誤の真っ最中です。

また、人事・組織担当と現場は距離が離れがちですが、この2つのバランスを取る際に、両者の連携こそ鍵になると考えています。 細かな改善は現場の解像度が伴ってこそだからです。そういった点もあり、現場関係者とのやりとりを増やし始めたところです。