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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

セルフマネジメント - キャリアデザイン

以前、セルフマネジメントに必要な要素をリストアップして記事にしました。

tbpgr.hatenablog.com

今回はその記事の個別要素の掘り下げとして キャリアデザイン を取り上げます。
記事を書き上げるたびに元記事からもリンクしていきます。

キャリアデザイン

キャリアデザイン とは 自分のキャリアを主体的に設計すること です。

1つの企業に終身雇用で勤め上げるというスタイルよりも、転職しつつキャリアを積み上げるほうが主流になってきている中、キャリアをどうしていくかは自分で考える必要があります。

キャリアミッション

キャリアミッション とは自分が今現在も含めキャリアを通して実現し続けたいことです。
自分が大切にしたいと考える軸を据えることで、キャリアデザインについて考える際の意思決定の判断軸にすることができます。会社のミッションと同じ特徴です。

以下は個人の Mission に関する参考資料です。

キャリアミッションに必要な要素

自分が何を大事にするのかを定めるには自己分析が必要です。

  • 自分が何をやっていきたいか?
  • 自分の価値観は?
  • 自分の強みは?
  • 自分の興味は?
  • 自分がどのように生きていきたいか?

などを整理します。

なお、人の価値観や強みは変化するため、都度変化がないか見直すことも必要です。

キャリアミッションの例

  • 少子高齢化問題の解決をする
  • ソフトウェア開発の技術力を高め、価値につなげ、技術を楽しみながら趣味のように働き続ける
  • ソフトウェア開発者の育成によって開発者不足を解決する
  • 一緒に働く仲間と楽しく、お互いに刺激を与えあいながら世の中に貢献し続ける
  • 家族、友人、個人の時間を最も大切にできるように、短時間で価値を生み出し続ける
  • とにかく仕事をしたくないので、いかに最小限の仕事量で自分に必要なお金を稼ぐかを追求する

ちょっとふわっとさせましたが、人によって「特定の業界」「特定の職種」などより具体的な要素が加わるでしょう。

キャリアビジョン

キャリアビジョン とは 自分がなっていたい将来の姿 です。

私の場合は、キャリアビジョンはなくてもよいのではと考えています。

なぜなら、変化の激しいこの時代で何年も同じ前提が続くとは限らず、どうせ計画通りにはならないためです。
例えば、自分が志している業界がまるごと消えたり、極めようとしていた職種が消えるようなこともありえない話ではないでしょう。

キャリアミッションで今現在も含めキャリアを通して実現し続けたいことさえ決めておけば、後はそれを踏まえてその時点の状況に合わせて次の方向性を都度模索すれば良いだろうと考えています。

市場価値

キャリアミッションは個人が大切にしたい、やっていきたい方向での考え方ですが、それとは別に市場価値について考えておく必要があります。
長く働き生きていくにあたって、ライフステージが上がるほど必要なお金は増えてきます。また、転職についても年齢が上がるほどハードルはあがります。
それを踏まえると市場価値を上げ続けて行く必要があります。

そのため、自分が選ぶ職種がどのような市場価値のある仕事なのかを握しておけると好ましいでしょう。

キャリアプラン

通常はキャリアビジョンを実現するための計画がキャリアプラン、と紹介されることが多いかと思いますが、ここでは キャリアミッションを保つために必要となる計画キャリアプラン とします。

計画的偶発性理論

計画といっても変化の激しいこの世界で何年も先の計画を立てても仕方がありません。
そして、多くのキャリアは偶発性に支えられています。いわゆる計画的偶発性理論です。

計画的偶発性理論で推奨されている「好奇心」などの要素を大切にしつつ、今現在の仕事でより多くのことを身に着け、新たなことに挑戦し、信頼を元に結びついた人の輪を広げていき、その上でキャリアミッションを踏まえた将来の選択肢にアンテナを張りつつ過ごすことが結果的によいキャリアにつながるでしょう。

計画的偶発性理論に関しては書籍「ITエンジニアのための偶然から始めるキャリアプラン」が参考になります。

tbpgr.hatenablog.com

キャリア形成

キャリア形成 とは、仕事を通して経験、知識、スキルを積み上げていくことで自分が目指すキャリアを形成していくことです。

例えば、自分でも座学で身につけることができるものは書籍や、ウェブでの情報収集から習得しつつ、実戦経験が必須の領域については、それが得られる環境に転職したり、チャンスに対して自ら手を上げて経験する機会を勝ち取っていき、自分ひとりでは得られない視点・観点などについては優秀な同僚とともに働ける環境に身をおくことで得ていきます。

キャリアパス

キャリアパス所属する企業内で用意されているキャリアの選択肢 です。
自身が目指す方向の経験が得られるようなキャリアが選択肢として含まれている企業に所属する必要があります。
現在の所属企業でさらなる経験が得られない場合は、外の機会を求めることになります。

ロールモデル

ロールモデル自分がキャリアを考える上で見本となる相手 です。例えば、日本全体においての自分の職種におけるロールモデルとなる人がいるかもしれませんし、所属企業内でのキャリアパスの選択を検討する際に見本となる同僚がいるかもしれません。具体的な例となる相手がいることで、自分がどこを目指せばいいのか、そのために何をすればいいのかを検討しやすくなります。場合によってはロールモデル本人から助言が得られるかもしれません。

一方で、変化の激しいの世の中において、所属組織内でロールモデルとなる人がいない領域に機会があり、その機会が自分のやりたいこと・強みとマッチしているかもしれません。そのため、自ら道を切り開くという選択肢も意識しておきたいところです。特に強みが他者と被っていない人は独自の道を行ったほうが自分ならではの活躍をしやすくなります。ただし、世の中や企業内でそのロールの第1人者になるということは常に自らの仕事の価値を説明することが求めるため、その心構えが必要です。

キャリアカウンセリング

キャリアカウンセリング はキャリアカウンセラーによって キャリア開発の支援をする取り組み です。一般に1on1で実施します。
とはいえ、キャリアカウンセラーに手厚い支援を受けられる環境も限られているでしょうから、社内外のコーチングに長けた友人・知人に壁打ちをお願いできるとよいでしょう。

生き方と報酬

キャリアミッションの説明に「自分がどのように生きていきたいか?」という要素がありました。
この要素と報酬は強く関連しています。

例えば、都心で家庭を持って過ごすことを前提に考えている場合と、一生独身で特に高額を要さない趣味に没頭して過ごしたい人では将来必要になる金額が異なります。

自分が求める生き方をするためにどのくらいのお金が必要か、それを踏まえてどのくらいの報酬を得る必要があるかを考える必要があります。そして、それを踏まえると市場価値にもアンテナを張っておく必要があります。

補足

キャリアについて考えるかどうか

キャリアなんて堅苦しい事を考えなくても「単にやりたいことをやっているだけでなんとかなる」という人もいそうです。
例えばたまたま自分が好奇心を持って大好きなことをやっていたら、レアリティが高く、世の中に価値を生み出しやすく、結果的に常に仕事にもお金にも困らないというケースかもしれず、果たしてそれは広く他の人にも参考になるのだろうか、という懸念があります。自分をふりかえってそういう前提が整っているかどうかは確認しておくとよさそうです。

ただ、かといって義務感のようにキャリアについて考えるのもよろしくないので、あくまで自分自身の人生の大きな時間を占める仕事をどれだけ楽しいものにできるか、という視点で考えるほうがよいと思います。

キャリアと採用

採用に関わると他人のキャリアについて文書で読んだり、面談・選考で話す機会が多くあります。
これは、結果として自分自身がキャリアを考える上で多くのインプットになります。
そういう意味でも採用業務に積極的に関与するのはおすすめです。

まとめ

セルフマネジメントに必要となるスキルの一つとしてキャリアデザインを紹介しました。

従来よくあるキャリアビジョン主導でキャリアプランマイルストーンを置いていくような長期的な計画をもとにしたキャリアデザインではなく、何を大切にするかを元に一手先を考えるのに留めたキャリアミッション主導のキャリアプランを紹介しました。