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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

採用人事が行うリファラルメインの転職活動

2021年10月末に前職のスタディストを退職し、11月からクラスメソッドに入社しました。

以下は退職エントリ、入社エントリです。

tbpgr.hatenablog.com

dev.classmethod.jp

今回、リファラルメインでの転職活動を行ったのと、採用担当を経験してからはじめての転職活動だったということで、体験談をまとめてみることにします。

リファラル限定の転職活動

今回はじめてリファラルメインでの転職活動を行いました。厳密には、たまたまこの時期にきたリファラル以外のスカウトに関してカジュアル面談に数件参加もしましたが、基本はリファラル を軸にすすめました。

リファラルに絞った理由ですが、

  1. 私のことを知っている人が声をかけたいと思ってもらえているところからのスタート
  2. 転職先について友人・知人からより詳しい情報を聞いた上で選ぶことができる

という点になります。例えば、1については、明らかにカルチャーマッチしなそう、と思った場合はそもそもお声がけがないでしょう。
2については、いいところだけではない組織内の課題感や難しさについても共有してもらえると入社後のギャップが減りやすいはずです。通常、カジュアル面談やその後の選考には時間の限りがあります。追加で個別面談の設定を受け入れてくださる企業もありますが、初手のカジュアル面談について、通常は1時間など時間が決まっています。しかし、リファラルの場合、必要なタイミングで紹介してくださった方に気になったことをじっくり聞くことができます。

どのようにリファラルしてもらったかについては、交流のある一部の人達に私の転職意向を共有し、 esa で作成した公開レジュメを共有しました。公開レジュメの内容については後続で説明します。
普段からの交流や、レジュメの内容をもとに各位の会社で求めている職種・人物像に一致する可能性がありそうなら、面談のお声がけをいただけた、という形になります。

最終的にリファラル経由で13社の面談、リファラル以外でその時期にスカウトがきた中から5社の面談に参加しました。
また、面談内容や紹介者へのヒアリングを踏まえ、自分が目指す方向性や企業の文化・価値観が近そうなところに絞って選考参加しました。全社人事 or 開発組織周りの担当が主な選考参加先だったためか、選考に参加するステークホルダーが多く、選考ステップが多めになりました。その影響で6月中旬に転職活動をはじめて8月末に転職先を決めるまで3ヶ月近くかかりました。昨今、開発関連の採用は選考スピードの重要性も語られる事が多く、例えばファーストコンタクトから2週間でオファー面談完了なども珍しくないでしょう。ここは職種特有の差かなと感じたところです。

当初想定していなかったリファラルのメリットとしては、紹介社の方から個別に詳しめの選考フィードバックをいただけたことです。この前提を抜きにしても今回選考参加した企業は非常に丁寧によかった点、懸念点両面の選考フィードバックをいただける機会が複数あり、とても選考体験が良かったです。各社の面談、選考であってくださった方に感謝です!

採用担当の転職活動

2年ちょっと採用に関わってからの転職活動ということで、そもそも採用というものがどういうものかという理解度が高まった状態で初めて挑む転職活動となりました。
企業から見ると、カルチャー・スキル面でマッチする人かどうかを見極めるはずで、求人情報やコーポレートサイトやその他の外部発信の情報から何を求めている企業なのか事前に調査し、自分との一致度を確認しました。
また、企業は候補者である私が転職に求める内容も知りたいはずです。そこについては後述の公開レジュメにまとめておきました。

その他、以下の個別項目についてまとめます。

  1. 公開レジュメ
  2. 選考状況管理
  3. 選考参加 / 内定受諾基準
  4. 選考内容の自己提案

公開レジュメ

esa で公開レジュメを作成し、紹介者に共有していました。スカウトをいただいた際も同様です。
以下の項目を記載しておきました。

  • 氏名
  • 在住都道府県(東京)
  • 関連URL - SNS,ブログ,GitHub
  • 経験要約
  • 保有スキル
  • マインド
  • 略歴 - 職務経歴書にあたる内容
  • 個人活動 - 技術同人誌、取材記事、コミュニティ運営など
  • 仕事の選択軸 - 転職先の選定軸を5つ開示

ちなみにこのまとめ方はころちゃんさんの背中に教わったものであり、大感謝です。

note.com

選考状況管理

面談、N次選考、オファー面談などのステータスは Trello で管理しました。
また、個別の応募先企業の情報については、個人で契約している esa にまとめました。

選考参加 / 内定受諾基準

転職活動の開始前に今回の転職における転職軸を明確にし、前述の公開レジュメに転職軸を明記しました。
面談参加後、選考に参加するかどうかはこの内容との一致度で決めました。また、内定受諾先の選択もこの転職軸に対する一致度をスコアリングして比較していました。
要は採用する側でいうところの求人要件の定義と選考記録とそれを元にした選考評価ですね。

ただ、そもそも選考参加している先はすべて自分が求める要素と近いところのみばかりで、用意していた転職軸だけでは差がつきにくく、その他の要素も含めて検討することになりました。その際に、普段から交流のある選考先とは無関係の方に壁打ちしていただき、考えを整理するのを手伝っていただきました。感謝です!

選考内容の自己提案

とある選考の内容が自分の実力が先方の求める水準に到達しているか見極めるのにアンマッチだと感じ、自ら選考内容を提案させてもらいました。
実際に、私が提案した選考内容にて選考を実施いただきました。対応が柔軟。

気になった選考手法等

個別の会社で特徴的だった取り組み、良かった取り組みに関して。

  • 面談、選考で個別候補向けにカスタマイズした説明資料に沿ってすすめていただけた。私の Will / Can を踏まえた説明資料になっていました
  • 詳細な面談、選考アンケート
  • 候補者個人をかなり詳細に知るための選考があった(細かくは開示できませんが)
  • 非常に丁寧な選考フィードバック。よかった点、懸念点
  • かなり積極的に口説く最終選考
  • 非常に学習熱心で、読書家が多いということが伝わる某社 - 選考中に何かと書籍の話題になった
  • リファレンスチェック

リファレンスチェックは1社だけありました。同僚2名が快く協力してくれました。感謝。今回はこの二人には事前に転職の話はしていたので問題ないですが、内定が出る前の段階で所属先の誰にも転職の意志を伝えていないタイミングでリファレンスチェックをされると、転職意志が社内に伝わることになり、仮に転職活動が全滅したときにとても居づらいことになりそうだな、と思いました。そういうときどうなるんでしょ?

まとめ

リファラルメインの転職活動で正解だったな、と思う点とそうではない面がありました。
正解だったと思う面は当初想定と同様に、

  1. 私のことを知っている人が声をかけたいと思ってもらえているところからのスタート
  2. 転職先について友人・知人からより詳しい情報を聞いた上で選ぶことができる

という部分でした。逆にリファラルメインでは得られなかった点に関しては、実際に転職活動を終わってから魅力的な企業様から複数お声がけをいただいたことです。あとからお声がけのあった企業は、知り合いがいなかったのでリファラル経由では応募先にならないところでした。

採用担当を経験しての転職活動という面では、転職にあたって必要なことを把握している状態での活動だったのでかなり進めやすかったです。転職活動に限らず、正社員としてどこかの企業につとめるにあたって、人事の経験は何かと役に立ちそうだと改めて思ったところです。事業における個別部門・個別役割の範囲では見えなかった組織活動への理解度が高まるところが人事の魅力かなと思います。