だいぶ事例が増えてきたChatOps。
しかし、まだまだ情報量としては少ないと思います。
2016年1月号のSoftware Designで大ボリュームのChatOpsの特集が掲載されました。
そもそもChatOpsの利点はけっこう伝えにくく、曖昧な部分もあると思います。
そこでこの特集から得た情報も含め利点をまとめてみたいと思います。
Software Design 2016年1月号
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 雑誌
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まずは特集内容についてざっと触れておきます。
ChatBotを導入している、これから導入したい、ChatBotってどんなものか気になる。
そんな方はぜひSoftware Design 2016年1月号を購入すると良いと思います。
ミクシィさん(20-25ページ)
導入理由,botの選定理由,活用事例など導入時に参考になる細かな情報が具体的にわかりやすくまとめてあります。
スピカさん(26-31ページ)
現状最も導入事例が多い組み合わせと思われるSlack - Hubotの環境構築について。
業務上のオペレーションのみではなく、ちょっとしたコミュニケーション促進の例などもあり。
サーバーワークスさん(32-36ページ)
Slackに関する情報が多め。Zapierを用いた「開発者以外でもできる」外部連携の活用。
Slack+botを楽しく使う方法。
botによる褒め。
ノイズ情報の管理。
Socketさん (37-41ページ)
ボット導入の理由からはじまり、キャラづけを活用したbotの開発など。
ぺこbotの記事の好循環の図がいい。
可愛さが生み出すbot育成。
Gaiaxさん (42-49ページ)
ChatOpsの良さについて。後述する利点をまとめる際に大きく参考にさせていただきました。
はてなさん (50-54ページ)
フローとストックを意識した利用。
議論のきっかけと投下 => フローで議論 => 議論の結果をまとめてストックへ、
など。
ヤフーさん (55-61ページ)
独自チャットツール「MYM」によるChatOps。
チャットツールに一方的にメッセージを送る片方向のChatOpsと、
相互に送り合う双方向のChatOpsに分けてまとめてあるのが特徴的な記事です。
Botも独自ツールの「Yabot」を使用。
アラートを人格化することで緊急度を分ける、というアプローチがとても面白いです。
各社の共通点
「かわいい」「愛着を持てる」「キャラクター付けされた」ボットを作っているところ。
ChatOpsの利点
ここから本番。ChatOpsの利点。
共有
- 共有ターミナルによる運用の可視化、共有
- 運用履歴の共有
- 通知ポータル
ChatOpsの起点となるChatサービスを見ていれば業務に関わる全ての情報を 把握できるようになる。 多数のツールを切り替えるのは手間がかかるし、その「面倒さ」によって抜け漏れが発生しやすい。
開発者以外でも操作可能にする
- 開発者以外にも操作可能なインターフェースを提供
- 属人性の排除
- 保守コストの削減
遊び心
- 遊びっぽい Plugin でコミュニケーションのきっかけを増やす
- botの作成が楽しくなる
- 業務効率化の動機付けが増える
- 採用ブランティング
- 「堅苦しい現場」と「楽しそうなことが日常に組み込まれている現場」のどちらで仕事をしたいか?
巨人の肩にのる
- 同一のChatBotフレームワークを使っている他者のPluginを活用できる
- 開発コストの削減
業務効率化
- アイデア次第で様々なワークフローを簡略化し、業務効率を上げることができる
副次効果
- ChatOpsで業務をBotに任せるためには個別業務が細分化されている必要がある。必然的に小さく保守性の高い設計になる。
- ライブラリ作成の練習台として最適
- 対外アピールのチャンスが増える
- 汎用的なPluginはOSSとして公開することで外部にアピール可能