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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

究極的にはリモート以外もうまくいく方法がのっている書籍「リモートチームでうまくいく」

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ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞(ITエンジニア本大賞)
2015年ビジネス書部門 大賞を『「納品」をなくせばうまくいく』で 獲得した
SonicGarden CEOの倉貫 義人さん。
期待の新作『リモートチームでうまくいく』を読みました。

リモートチームでうまくいく マネジメントの?常識?を変える新しいワークスタイル

リモートチームでうまくいく マネジメントの?常識?を変える新しいワークスタイル

この書籍、タイトルはリモートのチームがテーマになっていますが
その根底にあるチームワークについて対面での働き方ですらうまくいっていない現場は
多いのではないのでしょうか。
この書籍がリモートワークをする人々以外にも価値があることを伝える、
という点に絞って当記事をまとめようと思います。

リモートチームとは?

従来リモートの仕事がしやすい領域というのはクラウドのリソースを活用した1人1人の個人が
成果を出すクラウドソーシングによるリモートワークでした。

それに対してリモートチームは、オフィスでチームとして働いている時に得られる
チームワークの成果をリモートでも実現する
、という概念になっています。

ではそもそもオフィスの業務においてもこの書籍にあるような
チームワークを実現できている現場はどの程度存在するのでしょうか?
そこで、リモート・オフィスを問わずチームワークに関する内容をピックアップしてみます。

情報共有

仲間同士で情報や知の共有をしてスキルを切磋琢磨し合うことができる

(リモートワークでうまくいく 26ページ)

情報共有ツールの使い方などでも語られる部分であり、個人の知を共有することで
チーム力を高めることですね。
例えば、業務の手順やルールなどを情報情報共有することは多くの組織が行っていると思います。
しかし、個人の知識・経験・ノウハウなどの共有を積極的に行って実際に成果として形にしている
組織はまだまだ少数ではないか?と思います。
イメージ的には前者は守りの情報共有。後者は攻めの情報共有といった印象があります。

守りの情報共有は、本来可視化・共有されるべき情報を正しく管理することで
チームの業務の効率を100%の状態に保ち、逆にしっかりと行わないと減点されていきます

攻めの情報共有は、
「実はあの人が知っている知識を活用すると一瞬で問題解決できた」
「あの人だけ知っている便利なツールがあった。全員に導入すれば全体効率を上げることができる」
「AさんとBさんの思考を雑談によって共有したら素晴らしいアイデアがでてきて新しいビジネスが立ち上がった」
など、組織に対して価値を加点していきます

この辺りはチームでの情報共有について、Tipsや悩みの共有や集約を通して、
情報の共有方法や情報共有をする文化作りをする方法を整理するためのコミュニティ
である
情報会議 においても度々語られる点でもあります。
情報共有ツールの価値は攻め・守りの情報共有双方を合わせたものであるが、特に攻めの情報共有は安定した数値上の
利点として伝えにくく、個人の気質やITリテラシーにも依存する点が多いところに難しさがあります。
その性質上、メンバーの採用段階からこういった面を意識して構成されたチーム以外で攻めの情報共有を
達成するのはかなりハードルが上がるように思います。

このように情報共有ツール導入のメリットを伝えきれない現場が多くあると聞きますが、
攻めの情報共有の利点を理解してもらうことの難しさであったり、
採用段階でこういったことをすんなり導入できるチーム編成になっていないケースが多い、 という点にあるのではないか?と思ったりします。

助け合い

リモートチームのメンバー同士は発注-外注の関係ではありませんから、 仕事中はオフィスにいるのと同じように、 いつでも相談や雑談ができて、ときには利害関係を超えて助け合えるかどうか? という点が非常に重要になります。

(リモートワークでうまくいく 26ページ)

さらっとオフィスにいるのと同じようにと書いてありますが、
オフィスでもこれがきちんとできているのはかなり強いチームではないか?と感じます。

例えばシステム開発の現場は、分業によってメンバー同士の交流がなかったり、
複数の組織の人間が入り乱れてお互い他人行儀にしているという現場も多くあると思います。
こういった現場で助け合いを実現出来ている場合は、おそらく運良く良いメンバーに恵まれたり
助け合いの文化が根付くように意識して熱意をもって動いてくれるメンバーがたまたまその場に居合わせたから、
ということがあるのかな、と個人の経験から思います。

単一組織の現場でこういった助け合いが実現されている場合、大抵が組織として確固たる経営理念があり
その経営理念に基づいて企業文化にあった人材を見定めて採用し、
さらに入社後に経営理念について説明され、文化としても根付いているではないでしょうか?

即時性のある会話的なツール

チャットツールはメールと違って相手がその時点でオンラインかどうかがわかるので、 相手の存在を確認したらすぐに会話を始められるとともに、複数のメンバーで同時にアクセスできる

(リモートワークでうまくいく 44ページ)

最近Slackがメールにとって変わっているケースが増えているのもこのあたりでしょうか。
リモート以外に関してもチームで確認したいこと、共有したいことなどを手早く行うことができるため、
ちょっとした会話を行うためのハードルが下がります。
結果として暗黙知が減り、チームとしての活動が円滑になるように思います。

まとめ

以上のように、リモート以外についても学び取れる要素の多い良書なので
おすすめです。