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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

見本を見つけ、観察し、習得し、実戦投入する

少し前に娘とスーパーマリオオデッセイをクリアしました。
このゲームは、クリア後のお楽しみ要素が豊富で、クリア後もほそぼそとプレイを継続しています。

前提

クリア後のお楽しみの主軸は「ムーン」を集めることで、ムーンはいろいろなところに隠されていたり、ミニゲームをクリアすることで取得できます。 今日、森の国のステージでノコノコレースのマスターカップをやっていました。 ノコノコレースはスタート地点からゴールまでをマリオと複数のノコノコで競うレースです。雑にいうのであれば「マリオとノコノコのかけっこ」です。
ノコノコレースには2種類あり、レギュラーカップとマスターカップがあります。マスターカップには非常に手強い金色のノコノコが登場します。

そして森の国のマスターカップにおいて金色のノコノコは、「スペシャルわざ!」を利用して、ゴールへの道のりを大幅にショートカットしてきます。

スペシャルわざ!」については、任天堂公式の以下ページの「2023.05.23」を参照ください。

https://www.nintendo.co.jp/switch/aaaca/archives/action.html

なお、最終的にスペシャル技を駆使して、金色のノコノコに勝利した動画はこちらになります。

動画の18~22秒あたりが「スペシャルわざ!」です。
※なお、ガチ勢はもっと圧倒的にはやくゴールしますし、私の動画自体はハイレベルなプレイではありません

これらを踏まえて、マリオオデッセイにおける「見本からの上達」の事例を考えてみます。

より上位の知識、テクニックに気づくこと

ショートカットを使わずにゴールへ向かうと、金色のノコノコがショートカットを使っている場面に遭遇することができません。 しかし、途中後ろにいたはずの金色のノコノコがいつの間にか自分より先にゴールしているため「どこかでショートカットしただろう」と推測することができます。

観察すること

次に行うべきことは、一回勝負を捨てて金色のノコノコが何をしているのか、後ろをなぞって観察することです。 これをすることで、金色のノコノコが「スペシャルわざ!」でショートカットしている様子が確認できます。 この際に、Switchの録画機能を活用するとショートカットの場所と、ショートカットに用いたテクニックを記録できて便利です。

練習すること

このショートカットには「スペシャルわざ!」が必須です。 そこで、レース本番とは別に単体で「スペシャルわざ!」を安定して出せるまで練習します

本番で試す

練習で「スペシャルわざ!」が安定するようになったら本番でショートカットを導入します
実際に「スペシャルわざ!」が安定してから本番で試したところ1回でショートカットに成功し、金色のノコノコに勝利して1位を取ることができました。 喜んだ娘からアンコールの要望があり4回挑戦しましたが、4回とも成功して1位という結果に。「スペシャルわざ!」がスキルとして手に馴染んだようです。

一連の流れについて

以上はゲームのエピソードでしたが、仕事でも同様です。

  1. 自分より質や効率よく仕事ができる人が持つハイレベルな知識、スキルの存在に気づくこと
  2. その人の知識、スキルが活用される場面を観察する。可能なら質問してノウハウを聞かせてもらう
  3. 対象となる知識、スキルを習得する
  4. 習得した知識、スキルを実践で試して成果につなげる

という感じです。

こう考えると当たり前のように見えますし、「いつもやっている」という方も多いかもしれません。 一方で、実際に現実でありがちなのは

  1. 対象を大きな粒度で捉えすぎて、その間にある細かな知識・スキルの習得さを見逃す
  2. 対象を成長可能な領域と捉えていない

というパターンです。

a,b 双方を含む例として、仕事における「見積もり能力」を扱う場合を考えてみます。

例えば、見積もり能力には、以下のような要素があるでしょう。

  • プロセス管理 - 対象業務をプロセスとして捉え、大まかな手順を把握すること。タスクばらしの能力
  • 時間計測 - 各手順に必要となる時間を大まかに予想できること
  • リスク管理 - イレギュラーが発生する可能性の把握や、それに要する時間を予想できること

その上で、担当領域における繰り返しの経験や、そこからくる業務の理解度によって上記3つの質が高まると考えられます。

一方で、「見積もり能力」を大雑把に捉えていると、「あの人はうまく見積もる。あの人はうまく見積もれない。この差は何か?分からない。育成?無理だろう」というような答えになってしまいがちです。

まとめ

見本を見つけ、観察し、習得し、実戦投入する。
この一連の流れについてマリオオデッセイのノコノコレースでの「スペシャルわざ!」の習得を例にまとめてみました。

こういった意味で、自分が持っていない知識やスキルを持つ人と一緒に働けることの恩恵は大きいです。
しかし、単に仕事ができる人といるだけでは、不足があります。「相手ができて、自分ができないこと」の差異に気づく必要があります。
開発においては、ペアプログラミングやモブプログラミングは知見を吸収するチャンスです。開発以外に関しても上位者とのペア・モブワークを大切にし、他者から学ぶ時間を業務に常に組み込むことが大事です。一人での仕事は作業効率は良さそうに見えるかもしれませんが、あくまで「現状の自分の最大値」に留まりやすくなります。自分で自分を継続的に伸ばせる人は問題ないかと思いますが、特にまだ一人前への道中にいる場合は、他者の優れた知見を意識的に吸収していくことをオススメします。

おまけ - 見本がないケース

今回は「金色のノコノコ」という見本がいましたが、現実世界では

  • レアな領域の取り組み
  • 該当領域でトップ層にいる

等の場合、見本を見ることができません。
この場合は

  1. うまくやるための方法を自分で考えて試す
  2. 試した内容が成果につながれば成功。つながらなかったら、次の方法を試す

という流れになるでしょう。