先日最新版の Thoughtworks Technology Radar が公開されました。
その中に Documentation quadrants というシステム開発における文書化の四象限の情報が紹介されていました。
私は現在従業員体験の向上がメインミッションなので組織施策の文脈にあてはめて必要な文書をまとめてみることにしました。
Documentation quadrants とは?
Documentation quadrants とは、必要なドキュメントが整備できているかの確認のため、ドキュメンテーションの分類を実用・理論軸と学習・利用軸の四象限で表す考え方です。 Thoughtworks の新しい Technology Radar で取り上げられていました。
- 実用/学習 - チュートリアル
- 実用/利用 - How to ガイド
- 理論/学習 - 説明
- 理論/利用 - リファレンス
チームに加わるメンバーへのオンボーディングにも有用とされています。
各4分類について、より詳しい内容については以下を参照ください。
組織施策におけるドキュメントに当てはめてみる
組織施策におけるドキュメントに当てはめて考えてみます。
今回は評価制度を例とします。
実用/学習
被評価者向け評価制度説明
被評価者が制度について理解するための説明資料です。評価者自身も被評価者のため、基本的には全社員向けの資料です。
評価制度の目的、登場人物、プロセスなど制度の基本的な内容をまとめます。社員は入社時か、はじめて評価対象として加わるタイミングで確認することになります。
評価者向け評価者責務説明
評価者が評価に関わる責務を理解するための資料です。
例えば、目標設定・期中のフィードバック・期末評価・期末の評価フィードバックなどです。
評価者をはじめて担当することになったときに確認することになります。
実用/利用
評価システムの利用手順
評価制度の運用時に Spreadsheet や専用の評価制度用のシステムなど、何らかのツールを利用することが一般的です。
評価プロセスの中でツールを利用するための手順書が必要です。
理論/学習
被評価者向け評価制度概念
被評価者が評価されるにあたって知っていることが好ましい評価制度関連資料です。
例えばこの記事にまとめたような内容です。
評価者向け評価制度概念
評価者が評価をするにあたって知っているとよいことの資料です。
例えば、評価フィードバック時に行うポジティブ・フィードバックやネガティブ・フィードバックはどのようなもので、どのように行うのが好ましいかをまとめます。
理論/利用
各評価関連イベントの説明資料
各評価関連のイベントがどのようなもので、どのように行うのが好ましいかをまとめます。 例えば、目標設定をどのようにすすめるか、などです。
まとめ
こうやってまとめてみると、個別の制度ごとに必要となる文書は意外と多いことがわかります。
必要な文書の抜け漏れを防ぐ意味で、文書化の四象限を踏まえて考えることが役立ちそうです。