ソフトウェア開発者の採用において必要となる知識をまとめるシリーズです。
まとめた情報は以下のページからリンクしていきます。
今回は「ATS」です。
ATS とは?
ATS は、 Applicant Tracking System の略で、面談・選考に参加する候補者さんの情報を管理するためのシステムです。
国内のプロダクトとしては
などがあります。
基本的な機能
よくあるのは以下のような機能です。
- 候補者さんの選考ステップの管理
- 候補者さんの選考評価の管理
- 候補者さんに関する選考評価以外のメモの記録
- タレントプールの管理
- リファラル採用機能
- 外部媒体、エージェントからの候補者連携機能
- 外部サービスとの連携機能
- 選考データの分析機能
- 社内の利用ユーザー管理機能
Talentio の特徴
私は Talentio のみを利用したことがあります。
2年間 Talentio を利用して感じた点としては
- プロダクトのフィードバックサイクルが速く、ユーザーの声からのフィードバックが素早く反映される
- プログラマーフレンドリーなサービス
という点が大きな特徴だと感じています。
正直なところ、純粋な ATS としての機能はのどの国内サービスも大差がないと思います。
一方で、 Talentio は上記の2点に関して抜きん出ていると感じました。
フィードバックサイクルにについては、チャットベースのお問い合わせ欄があり、そこからフィードバックを行うと軽微な改修であれば数日で修正してもらえることが珍しくありませんでした。個人的な経験としてここまでの速さでバグ修正や軽微な機能改善に応じていただけるのは esa 以外だと Talentio のみです。
もちろん、開発の優先順位、開発に必要な規模、本当にすべてのユーザーにとって必要な機能であるかどうかなどの要素によって対応期間や有無は変わります。
次に、プログラマーフレンドリーなサービスという点については、 DRY な情報管理、 Markdown の利用、 API の活用が可能な点などがあります。
DRY な情報管理の例としては評価フォームのテンプレート機能があり、
- 全社カルチャーマッチ用の評価フォーム
- ウェブエンジニアのスキルマッチ用の評価フォーム
などを作成することができます。便利。
Markdown の利用に関しては、求人票の利用や評価データの登録時に Markdown 記法を利用できます。便利。
API の活用が一番大きな要素で、国内プロダクトでプログラムを活用して採用活動のデータを自動化や外部連携を柔軟に行おうとすると、選択肢は Talentio しかありません。超絶便利。
そのため、私のようなソフトウェアバックグラウンドで採用を担当していたような人がいる場合に、そのバックグラウンドをいかしていこうとすると国内の選択肢だと Talentio 一択です。なお、 API は PLUS / ENTERPRISE の2つのプランで利用できます。
無料プランもあるので、規模が小さい企業にとっても重宝します。
※この内容は 2022/01/19 時点のものです
ATS の活用
ATS にはかなり多くの機能が用意されています。また、プロダクトにもよりますが機能追加も頻繁にあります。
採用担当者は、これらの機能を使いこなせるかどうかによって業務効率が変化してきます。そのため、以下のような手順が必要でしょう。
- ATS がどのような機能を持っているかを把握する
- 実際に業務で必要となる機能を試す
- 機能の有効性を確認できたら、業務に組み込む
- 必要な場合は社内向けのマニュアルを用意する
新規機能の追加があった場合も、内容を確認し、必要に応じて機能検証、マニュアル作成をする流れは同じです。
また、 ATS の利用は単にツールを利用するだけではなく、業務プロセスの設計能力が問われます。
- 選考の流れの中でどのように ATS を活用するのか?
- どのようなデータをどのように登録するのか?
- 外部の媒体が増える場合に必要なプロセスはどのようなものか?
などを整理し、 ATS の利用手順、設定内容などを作り込んで行く必要があります。
このあたりを雑に行うと、社内の採用関係者が混乱したり、後日データ分析をしたいときにデータとして活用が難しい状態になってしまいます。
ATS の管理者として候補者管理の流れの主担当をする人は、業務プロセスの設計能力、わかりやすいマニュアルの作成能力が必要でしょう。
まとめ
候補者管理を行う ATS についてまとめました。
Spreadsheet で採用管理をしているケースもあるかと思いますが、 Talentio など小規模なら無料で使えるサービスもありますので、基本的には採用をするなら ATS の活用は必須でしょう。