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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

感情報酬ってなに?感情報酬を重視する 5 社の発信から読みとってみた

最近少しずつ「感情報酬」という言葉を見かける機会が増えてきました。
しかし、いざ「感情報酬とは」でググっても、明確な答えは返ってきません。
読んで字のごとく、という意味では感情に関わるものを報酬として提供するのだろうな、ということまでは分かりますが具体的にどの範囲を表しているのか気になります。

そこで、感情報酬を重視する 5 社の発信から、それが何を表しているのか読みとってみました。

感情報酬について言及している企業

favy

近年、「感情報酬」を重視する企業が増えている。これは「金銭」ではなく「ワクワクするようなポジティブな感情」を労働の対価ととらえる考え方だ。

Must と Will をマッチした結果としてワクワクとした気持ちで働ける状態を目指し、結果として成果も上がるという施策にみえました。
内発的動機を軸に据えることで自発性と継続的なやる気を引き起こす、ということなのでしょう。

アカツキ

アカツキは、人々が心の満足で満たされ、自発的に行動し世界が発展する『感情を報酬に発展する社会』の実現を夢見ております

言及対象としては、社外に提供するサービス・プロダクトに関して、感動・喜びなどの感情を提供していくことを指しているようにみえる。
さらにその先には社会そのものに影響を与えていくと。

見逃しているかもしれないですが、内部の人材向け施策として「感情報酬」について語っている部分はみかけませんでした。
ただ、 Management 3.0 の実践企業なので、実際のところは相当する施策は実施していそうです。

サイバーエージェント

金銭報酬だけでなく、それ以上にワクワクとか楽しいといった感情がポジティブになるような感情的な報酬。この感情報酬と金銭報酬を重要にしています。

上記の記事の図解で、人事制度のうち感情報酬にあたるものが確認できるようになっていました。 見た感じでは感情報酬・安心軸では福利厚生っぽい、安心・快適・休養など。
感情報酬・挑戦軸では Will の追求と新規事業など攻めるワクワクに関わるようなものなど。
というようなものに見えました。

リンクアンドモチベーション

限定合理的な「感情人」は、「金銭報酬」に加えて、「感情報酬」を必要としている。

のように分類されているようです。
主要サービスであるモチベーション・クラウドがモチベーションを扱っていることや、そのスコアリング理論は、様々な学術的なものをベースにしているようなので、感情報酬についても理論チックです。

マズローの欲求5段階説でいうところの高次から3つである

  1. 自己実現の欲求
  2. 承認の欲求
  3. 社会的欲求 / 所属と愛の欲求

とも一致しそうです。

ミラティブ

ロジカルであることは前提としてあって、その上で「ここで一緒に働きたいと」思うには、感情報酬的なものが必要な時代になっていると考えています

記事の中では感情報酬の具体的な内容はなさそうでした。

まとめ

大枠としては、内発的な動機を軸に自発的にやりたくてやる社員を集め、そういった社員が十分な実力を発揮するための職場の実現のために感情報酬を必要としているのかな、と読み取りました。
ワークライフバランスというよりはワークアズライフの考え方に近いのかもしれません。

ここで、表っ面の「感情報酬」を誤解すると起こりそうなのが

  • 内発的動機とは関係なく、単に居心地の良さや仲良さを追求する
  • 感情報酬を金銭報酬をへらす口実にする

というパターンです。
マズローの欲求5段階説でいうなら十分な給与で安全の欲求を満たさなければ、その先の欲求どころではありません。
求職者としては、このパターンにはまらないようにしたいところです。

おまけ

GW 明けに「転職透明化らぼ」というイベントグループによるイベントを行います。

rtlabo.connpass.com

近日中にイベントを登録する予定です。

初回のお題は「カジュアル面談」なのですが、好評で2回目を迎える場合は「感情報酬」をお題にするのもいいかもしれませんね。
参加者の要望と、「感情報酬」をアピールしている会社の方がパネラーとして参加してくれれば、ということになりますが。