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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

部下からみた上司マネジメントの必要性と上司からみた上司マネジメント負荷の軽減方法

「マネージャーはマネジメントも完璧で、プレイングも完璧で、すべての問題を解決すべきだ。」
こういった「マネージャーにスーパーマンを求めがち問題」という話をよく見聞きします。

一方でマネージャーも人間であり、強みも弱みもあり、解決できない問題もあり、悩み事を抱えており、時間の制約もあります。
こういった点を踏まえつつ、部下がよりよく上司とやりとりし、担当業務を成功させていくための考え方として「 上司マネジメント 」という考え方があります。
それで、まず上司マネジメントについてまとめ、それを踏まえて今度は上司目線で部下が上司マネジメントで苦労しないように負荷を減らす方法について考えます。

上司マネジメントというと、

「本来は上司がマネジメントをしっかりやるべき部分なのに、部下にマネジメントまで丸投げしている」

というような誤解を招くケースがあるかと思います。
上司マネジメントは、仮に上司がうまくマネジメントをやってくれているとしても検討する必要がある「部下目線」のトピックであり、丸投げのニュアンスはありません。

上司マネジメントの必要性

上司マネジメント とは、 上司を自己の業務における利用可能な資源と捉え、どのように活用すれば自身の成果をより高めることができるか、という視点で行う自己の業務マネジメントの考え方 です。
マネジメントの責務は責任範囲を「なんとかすること」です。
その意味では、マネージャー職ではない各メンバーも自分の担当範囲をマネジメントするセルフマネジメントが必要です。
セルフマネジメント対象の一つが上司マネジメントになります。

なお、上司マネジメントはこの記事の造語ではなくドラッガーが提唱した考えが起源です。

上司マネジメントの要素

相互理解と調整

上司も1人の人間であり、また、上司にも上司がいて、より上位から派生するミッションや期待があります。
その内容を把握しているかどうかで、あなたと上司の関わりは変わってきます。
そのため、上司について理解し、どのようにやりとりしていくかを調整することで、より円滑に業務を遂行しやすくなります。

例えば、上司について把握する対象といて

  • 強み、弱み - 上司はどのような強み、弱みを持っているか?
  • ワークスタイル - 上司はどのような働き方、意思伝達の仕方などを好んでいるか?
  • ニーズ - 上司は組織においてどのようなミッション、目標を持っているか?また、個人的な目標はどのようなものか?
  • 制約 - 上司はどのような制約を持っているか?どのようなプレッシャーを受けているか?

などがあります。
現時点でこれらの情報が分からない場合は、上司に直接確認するとよいでしょう。

また、理解した上でお互いの関係を円滑にする上でスタンスの違いがある部分については調整していく必要があります。
スタンスの違いを理解するには、まず自己理解も必要です。上司について確認した項目に関して、自分自身についても整理しておきましょう。

そして、相互のスタンスを開示し合った上で、違いがある部分の落とし所を調整しましょう。

権限委譲

上司が担当している業務のうち、上司でなくてもできる業務がある場合に、順次権限を巻き取っていけるとよいでしょう。
そうすることで、上司が自分しかできない、より難易度の高い業務、戦略的な業務に向き合うことができ、結果としてチーム全体の成果が出やすくなります。

また、これらが進んだ結果、上司が今の役割を卒業し、より難易度の高いミッションに巣立つことになります。
その場合に、上司がいたポジションが残ったメンバーの誰かにとっての次の挑戦機会になっていきます。

・・・というのは「昇進はマネジメント方面でより上に上がること」が唯一のキャリアアップだった時代の話かと思うので、専門職でのし上がっていきたい方によってはこの点は異なりそうです。
ただ、上司が専門領域における高度なプレイング業務も兼任している場合に、それを巻き取っていくことは専門職としての領域拡大につながります。

上司マネジメントの負荷を減らす上司の振る舞い

上司マネジメントの起源がドラッガーとすれば、だいぶ昔の考えです。
時代が進めばよりよい方法もあるはずです。

例えば、 ワーキングアグリーメント は上司マネジメントでいうところの相互理解と調整を行うどころか、その範囲を個別の上司・部下だけではなく、チーム全体に広げていると捉えることができそうです。

例えば、 Delegation Board による権限委譲は、権限委譲を 0 / 1 ではなくより段階的に実施することを可能にしてくれます。

上司が率先してこれらを行うことで、そもそも部下が上司マネジメントをしなくてはならない範囲を減らすことができそうです。

まとめ

なお、私自身は従業員体験の改善を主務とする人なので、上司マネジメントや、その負荷を減らす仕組みが全社でワークするにはどうするか、という視点で物事を考えることになります。
メタメタメメタァ

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