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ピラミッド型組織からツリー型組織へ。組織のメタファとその意味

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ピョートル氏の「世界最高のチーム」を読書中です。

世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法

世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法

本の中でピラミッド型の古い組織からツリー型の新しい組織に関する話があり、深掘りしたくなって、情報収集していました。
その個人的理解をまとめます。

ピラミッド型組織

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上から下に行くほど人数が増え、中間層に管理職を置くことで指揮命令や情報流通を行っていく組織構造。
トップダウンで組織の方向性をコントロールしやすく、作業が細分化されるため個別の生産性は上がりやすくなります。
一方で、重要な意思決定に時間がかかる。上下双方への情報伝達の過程で情報濃度の低下や湾曲が起こりやすくなります。
大抵のケースにおいて、階層構造と給与体系が結びつくため管理職の待遇はよくなる一方で、下層にいる優れた専門職の待遇が低くなりやすい問題があります。
また、下層は上からの指示を受ける形になり、仕事そのものの目的や意義を見失いやすく、権限の不足により主体性も発揮しにくいためエンゲージメントが低くなりやすい問題があります。
部分最適化が発生しやすく、問題が組織の複数主体をまたぐ場合や、全体最適が必要な場面で解決が難しくなります。

ツリー型組織

葉 - 前線の社員

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ツリー型組織において、前線の社員は葉にあたります。
葉(前線の社員)は太陽の光を受け、光合成を行い、木に栄養を巡らせます。
葉がなければ木は朽ちてしまいます。

根 - リーダー

リーダーチームは根にあたります。
根は大地から水や養分を吸い上げ、木に栄養を巡らせます。
根は木の成長と安定を支えます。
根がなければ木は朽ちてしまいます。

幹 - 企業インフラ

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幹は、企業のインフラにあたります。
情報基盤、財務、テクノロジーなど。
幹が安定していると、根も葉に栄養が適切に行き渡ります。

枝 - サービス・製品

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枝は、顧客に向けた製品やサービスにあたります。
枝の先にある葉は、根から幹を経て栄養を受け取りながら製品サービスを外界に提供し、その活動の中での利益・情報・経験などを枝を伝って幹に戻していきます。
これにより、組織の前線の活動の論理的な資産が組織全体に行き渡ります。

心材 - MVV

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心材は、組織の MVV (Mission, Vision, Value) にあたります。

木を取り巻く環境

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木を取り巻く環境は企業が存在する環境を表します。
木は単独で存在するのではなく、外界から光・土・水などを受けて生きることができます。
お客様であり、コミュニティであり、他の企業であり、様々な外部のつながりがあります。
葉や幹が外界との関わることの重要性を表しています。

まとめ

エンゲージメントにまつわる施策や、OKRなど、昨今語られる「よい組織」は、組織に所属する誰もが組織について自分事であり、その業務に対して自らコミットして自走していく人材の集まりになるように設計された組織であるように思います。
その際に、組織における役割を説明する上でツリー型組織はわかりやすいメタファだと感じました。

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