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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

受け手に理解してもらうための「会話・文章」。メタファの活用

概要

受け手に理解してもらうための「会話・文章」。メタファの活用について

経緯

技術ブログを書いたり、技術記事を寄稿をしたり、後輩や子供に物事を説明する機会が増えたり、
自分の中で伝える技術の重要度が今まで以上に上がってきました。

技術書の名著や、上手な講演をされる方はメタファがうまい、ということを
改めて感じたため、その手法・効果について整理してみたいと思いました。

メタファとは?

暗喩・隠喩。明示的ではないたとえ。

例えば、格ゲークラスタの人との日常会話で「しゃがんだガイル」と、
伝えれば皆まで言わずとも「待っている」と伝わります。
相手の苦い記憶次第では「ガイル」というだけで「待っている」と思うかもしれませんが。
「しゃがんだガイルに飛び込む」といえば、「迎撃される」という言葉を連想できます。
※いきなり、例がクラスタ限定かつマニアックでごめんなさい

文書・会話におけるメタファの効果

・興味を引く
本題とは異なる領域の話が急にはじまると、「あれ?どんな話だろう?」と興味を引きます。
メタファの内容自体が面白いものであれば、そこに引き込まれる効果もあります。

・緩急、波を作る
説明的で平坦な文章・会話は長く続くと受け手の集中力を下げます。
効果的なメタファを挟むことで受け手の集中力を保ちます。

・記憶に強く残る
面白いメタファは記憶に残ります。
ただ平坦な文章を読むよりも、面白いメタファとセットになっていたほうが
ポジティブな感情とともに記憶に結びつきやすい。

これにより、メタファと紐づけられた「本当に伝えたい内容」とセットで記憶に残すことができます。

人の脳内は一つ一つ独立した引き出しに各情報が保存されているのではなく、
網の目のように結びついて保存されているため、
一つの強いインパクトを持った情報=>面白いメタファ、
を起点としてそこに関連する情報を思い出しやすい、というのがメタファを利用した
説明のメリットではないでしょうか。

・ユーモア重要
やられた!と思うようなうまいメタファほど、強い印象を伴って
記憶に定着するはずです。
ユーモア重要。

・コンテキスト重要
最初の格ゲーのメタファのように、相手のバックグラウンドによっては
メタファを織り込んだ方が話が伝わりにくくなってしまいます。

つまり受け手がどんな相手か把握した上で、相手に合わせたメタファを作成しておく必要がある。
逆に一部の相手にしか伝わらないメタファは伝わる範囲においてはより印象的になるように思えます。

受け手の属性がある程度分かっているなら、そこに合わせたメタファを用意するのが良さそうです。

エンジニア相手なら一般的なエンジニアが好きそうなメタファ。(開発者あるある、的な。)
子供が相手なら子供が好きそうなメタファ。(アンパンマンとか、プリキュアとか?)

よいメタファを生み出すために必要なことを考える

自分はまだ良いメタファを生み出すことができないので、
こうやったら良いのでは、という想像です。

・よいメタファを参考にする
書籍、講演のよいメタファを参考にして分析する。
著者・講演者がどのような受け手を前提として、どのような理由でそのメタファを
選択したか考える。

・アンテナを張る
自分が物事を伝える相手がどんなことに興味を持ち、どんなことに関わっているのかを知り、
その範囲に関してアンテナを張っておく。
その分野の知識を増やすことで、自分が伝えたいことを相手が興味を持ちやすい分野で
たとえられないか、脳内サーチした時にヒットする確率が上がるのではないだろうか?

・反省会
どういった相手に、どういったメタファを利用したときに反応が良かったか・悪かったか、
をよく覚えて、メタファの改善に活用する。

・メタファ縛りゲームをする
気の知れた家族、友人などとメタファ縛りゲームをするのは面白いかも。
自分が伝えたいことをそのまま伝えるのは禁止。
かならずメタファを利用すること。