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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

セルフマネジメント - タイムマネジメント

以前、セルフマネジメントに必要な要素をリストアップして記事にしました。

tbpgr.hatenablog.com

今回はその記事の個別要素の掘り下げとして タイムマネジメント を取り上げます。
記事を書き上げるたびに元記事からもリンクしていきます。

タイムマネジメント

タイムマネジメントは時間に関するマネジメントです。
時間は重要な資源です。限られた時間をどのように有効活用するかで、同じ時間あたりに生み出せる成果の質量が変わります。

アウトプットとアウトカム

時間について個別のトピックを掘り下げる前に前提としてアウトプットとアウトカムについて整理します。

アウトプット何らかの活動を通した成果物 です。システム開発の典型例としては任意の機能に関するプログラムです。
アウトカムアウトプットによってもたらされる成果 です。システム開発の典型例としては任意の機能によってユーザーにもたらされる価値です。

時間はアウトプットを通してアウトカムを生み出すためのインプットになります。

アウトプットには次のアウトプットのための中間成果物もあります。中間成果物はいくら積み重なってもアウトカムにはなりません。そのため、アウトカムにつながる最終成果物をいかに限られた時間で素早く生み出すかが重要になります。
そこで、鍵になる考えがフロー効率です。 成果を生み出すサイクルを最適化する 考えを フロー効率 と呼びます。逆に リソースを最適化する 考えを リソース効率 と呼びます。
時間の使い方についてはフロー効率に寄せたほうが時間あたりのアウトカムを増やすことができます。

割り込みと集中

人は一度に1つのことしか考えることができませんマルチタスクがうまい人がいた場合、それは同時に2つのことができるわけではなく、2つの対象を切り替えるのがうまいということです。複数の対象を行き来する場合、コンテキストスイッチという思考の切り替えコストがかかります。

プロジェクトや今から取り組むタスクの前提や周辺事項を頭に思い起こし、関連する必要な資料を開き、場合によってはそのプロジェクト固有の設定を有効にする。
コンテキストスイッチはそんな時間です。 コンテキストスイッチ自体は切り替えのための時間に過ぎないので最終成果にプラスになりません 。そのため、同じ成果を生むために必要なコンテキストスイッチはできるだけ少ない方が好ましいです。

そして、人は今の自分の実力よりやや難しい、挑戦しがいのある問題に立ち向かっていると強い集中状態に入りやすくなります。
この状態は俗にいう フロー状態ゾーン などと呼ばれるものです。この状態になることで、時間あたりの成果がよりでやすくなったり、この状態自体が幸福感をもたらすものであるため労働体験がよくなります。

こういった点を踏まえると、

  • 兼任は最小にする
  • 兼任している場合も、同じ業務をできるだけ近い時間に固める

などによって切り替えを最小化することが好ましいでしょう。

タスクばらし

タスクを小さな単位に分割することをタスクばらしと呼びます。

タスクばらしをすると、それぞれの小さなタスクを着実に終了させることができます。
タスクを大きなまま扱っていると、頭の中に覚えておく前提が多くなりすぎてしまい、忘れてしまっては確認し直す、などの手間が増えます。また、割り込みが発生した場合に、割り込み以前の状態を思い出し、再着手を可能にするまでのコストについても大きくなります。小さなタスクの場合は原状復帰を最小の時間ですることができます。

そのため、時間効率のよい仕事の進め方をしたい場合、タスクを小さくばらしておくことが有効になります。

タスクばらしについて詳しくはこちらを参照ください。

zenn.dev

時間帯とパフォーマンス

人にはそれぞれ活動に向いた時間とそうではない時間があります。いわゆる 朝型・昼型・夜型 です。
そのため、自分の特徴を踏まえてどの時間にどんな仕事を割り当てるか考えましょう。例えば、あまり調子が良くない時間帯には単純作業を割り当て、調子がよい時間に難易度の高い仕事を割り当てる、などです。労働時間については労働法もあるので、完全に自由な時間に働くわけにもいきませんが、フルフレックスなどある程度自由の高い環境を就職・転職時に選ぶことはできるでしょう。

また、人間は疲労します。そのため、休憩もなくずっと集中しようと無理をするよりは程よい休憩をすることでその後のパフォーマンスを回復させた方がトータルで出せる成果は増えていきます。

まとめ

セルフマネジメントに必要となるスキルの一つとしてタイムマネジメントを紹介しました。

まず、時間を考えるにあたって重要な前提であるアウトプットとアウトカムについて紹介しました。
時間あたりに最終的に成果を生み出す量を最大化できるように時間を使う必要があります。

働く人は機械ではありません。疲労があり、集中できる時間には限りがあります。そのため、割り込みを最小化できるとムダが減ります。
タスクばらしによって割り込みからの復帰をしやすくすることもできます。そして、人には働く時間ごとの向き不向きがあります。調子のよい時間を把握し、どんな時間にどんな仕事をするか、どのくらい休憩をとるかなどを組み替えることで同じ時間を使っていても、より大きな成果を生み出しやすくなります。

今回紹介した要素を満たすためには、時間の使い方に対する理解のある会社・上司が前提になる部分があります。職場選びは自分のパフォーマンスのためにも大切です。

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