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好子と嫌子でみる行動の促進・抑制とムチの副作用

好ましい行動を増やし、好ましくない行動を減らすにはどうしたらよいか?
そんなとき、行動経済学(ブクマで指摘いただき、2021/07/26に修正) 行動分析学の好子と嫌子の概念で整理するとわかりやすいです。

人と行動の構造

好子と嫌子の前に、前提として人の行動と、それに対する反応がもたらす構造を整理します。
人がなにか行動すると、何かしらの反応が生まれ、その反応が次に行動するときの判断材料となります。
例えば、

  • 自発的に業務改善をした

という行動に対してこんなパターンの反応があったとします

  1. 改善が成功し、上司・同僚からポジティブなフィードバックをもらった
  2. 改善は失敗したが、上司・同僚からポジティブなフィードバックをもらった
  3. 改善は成功したが、もっとうまくできたはずと上司・同僚からネガティブなフィードバックをもらった
  4. 改善は失敗し、上司・同僚からネガティブなフィードバックをもらった

この場合、列挙した順番で改善行動を継続しやすくなるでしょう。

好子( Reinforcer )とは?

好子(こうし)とは、行動のあとに発生し、その行動を増やすものです。
例えば、「人と行動の構造」の1の例でいうと、改善の成功やそれに対するポジティブなフィードバックが好子にあたります。

嫌子( Aversive Condition )とは?

嫌子(けんし)とは、行動のあとに発生し、その行動を減らすものです。
例えば、「人と行動の構造」の4の例でいうと、改善の失敗やそれに対するネガティブなフィードバックが嫌子にあたります。

ムチの副作用

好子・嫌子ともにその増減によって行動を増減させることになります。
しかし、嫌子の発生は、行動を増加させるものの効果の制約や負の影響があります。業務における対人関係のアメとムチにおけるムチは、嫌子の発生にあたります。

まず、嫌子による行動は心からその行動をしたいわけではなく、「しないと怒られるから」などの負の感情を元に実施されます。この場合、時間経過によって行動量が減りやすくなります。また、負の影響もあります。マイナスの指摘をされた以外の行動に関しても、マイナスの指摘への恐れで行動・挑戦が減りやすくなります。結果として、本来あったはずのプラスの行動が減ったり、場にでてくる情報が減ったりする可能性が上がります。

まとめ

好子と嫌子は行動を増減させることができます。しかし、嫌子による行動増加は悪影響もあるため、できるだけ好子側で好ましい行動が増えるようにしたほうがよいでしょう。
人対人の話であれば、ポジティブなフィードバックを増やすこと。個人で閉じる話であれば、好ましい結果が出ていることを確認可能にする、などがあるでしょう。

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