テキストコミュニケーションにおいて、誰もが同じ文章文章を同じように読むとは限りません。
この記事では、文章の読み方を大きく2つに分け、それぞれの特徴を整理します。そのうえで、それぞれのタイプに応じた伝え方について検討します。
熟読型
熟読型は、文章の全体を丁寧に読み、細部にわたる内容や背景を深く理解するための読み方です。 文章の意味やニュアンス、相手の意図などを正確に理解することを目的としています。
メリット
- 文章全体をしっかり読むことで、細かい要素やニュアンスも含めて正確に理解できる
- 相手の意図や背景も含めて、文章全体の意味を正確に把握できるため、誤解のリスクが低い
デメリット
- 詳細にわたる読解には時間を要するため、忙しい状況や大量の情報を扱う際には非効率である
拾い読み型
拾い読み型は、文章全体をじっくり読むのではなく、キーワードや重要な部分を拾い読みし、全体の概要を把握する読み方です。 効率的に情報を得るための手法として使われます。
メリット
- 多くの情報を短時間で処理できるため、多忙な状況や膨大な資料を扱う際に効果的である
- 文章全体を読む必要がないとき、重要な要点だけに集中できる
デメリット
- 文章の細部やニュアンスが見逃されることがあり、正確な理解や細かい要素が不足する可能性がある
- 全体の流れや背景を理解しないまま結論に至ると、誤解をする可能性がある
相手のタイプに合わせる
一緒に働く人の文章の読み方を強制することはできません。そのため、相手が熟読型か拾い読み型かによって、メッセージの送り方に工夫をすることで、理解のしやすさや伝わりやすさを高めることができると理想的です。
以下に、それぞれのタイプへの対応方法と、チーム全体へのメッセージを送る際の工夫を示します。
熟読型へのメッセージの送り方
熟読型の人は文章全体をしっかり読むため、詳細な説明や背景をしっかり提供することが有効です。
- 背景や詳細の提供
- 文章の流れの中で、背景やコンテキストを丁寧に説明する
- ロジカルな構成
- メッセージを論理的に構成し、段階を踏んで情報を提供することで、相手が内容を深く理解しやすくなる
- 補足情報を加える
- 関連情報やリンクを提供して、さらに深く理解を深めたい人のために詳細を用意します。
拾い読み型へのメッセージの送り方
拾い読み型の人は要点やキーワードに集中するため、以下の工夫が有効です。
- 箇条書きや見出しを活用
- 重要なポイントや結論を箇条書きで簡潔に示し、視覚的に目立たせることで、拾い読みしている相手に素早く要点を伝えることができる
- 結論を先に示す
- メッセージの冒頭に最も重要な情報(結論や指示)を記載し、その後に補足説明を付けると、拾い読み型の人が要点をすぐに把握できる
- 太字や強調
- 重要なキーワードや数字を太字にしたり、色を変えたりして、目立たせることで、拾い読みでも重要な内容が伝わりやすくなる
- 投稿を分割する
- 1投稿に多くの情報を詰め込み過ぎず、小さな単位の内容を複数回投稿する形式にすることで情報を拾ってもらう比率を高める
チームに両方のタイプがいる場合の工夫
両方のタイプがいる場合、メッセージの構造を工夫することで、どちらのタイプにも対応可能な形にすることができます。
- 結論先出し+詳細説明
- メッセージの冒頭で、重要な結論や指示をシンプルに提示し、その後に詳細や背景情報を付け加える
- 拾い読み型の人は結論だけを素早く理解できる
- 熟読型の人は背景情報をしっかり読むことができまる
- メッセージの冒頭で、重要な結論や指示をシンプルに提示し、その後に詳細や背景情報を付け加える
- 視覚的な工夫
- メッセージ内で、箇条書きや見出し、強調されたテキストを使って要点を明確にし、拾い読み型でもすぐに理解できる構造にする
- 必要に応じて詳細な説明や補足情報を続けることで、熟読型の人が満足する情報量を提供できる
テキストコミュニケーション以外との併用
拾い読み型の人とやりとする場合、オンラインミーティングや対面のミーティングなど、口頭でやりとりするのも有効です。 相手が拾い読みで誤認識をしているか確認したり、認識を補正しやすいためです。