企業は採用活動を通して2つの点を同時に実現する必要があります。
1つ目は、セレクションです。求人要件にマッチした人を採用できているかどうかです。カルチャーマッチ、ソフトスキル、専門スキル等を面接・実技試験等を通して 見極めていく ことになります。
2つ目は、アトラクションです。選考参加していただいたうち、求人要件にマッチする候補者さんに、途中で辞退せずに後続の選考に進んでもらい、最終的には内定受諾をしていただいて、入社まで到達するための 魅力づけをしていく ことになります。
これら2つの要素の AsIs / ToBe を整理し、さらにこの2つの要素の関係や、その質のレベルによって起こることを整理します。
セレクションの AsIs / ToBe
セレクションの AsIs
候補者さんが実際に持つ特性、実力や、実際に選考で発揮されるものが AsIs です。
セレクションの ToBe
企業が該当の求人枠で求める人物像やスキル要件が ToBe です。
アトラクションの AsIs / ToBe
アトラクションの AsIs
企業が実際に持つ魅力や、その伝え方が AsIs です。
アトラクションの ToBe
候補者さんが働く環境に求めるキャリア軸、転職軸が ToBe です。
セレクション・アトラクションとその主体
-- | AsIs | ToBe |
---|---|---|
セレクション | 候補者さん | 企業 |
アトラクション | 企業 | 候補者さん |
候補者さんにとっての転職活動および企業にとっての採用活動は、理想と現実をクロスチェックするような活動であることがわかります。
つまり、お互いの事をよく知り、相互の ToBe を理解できる取り組みが重要となります。
セレクション・アトラクションの質と影響
-- | 低 | 高 |
---|---|---|
セレクション | アンマッチな人が入社する | マッチした人が入社する |
アトラクション | 入社してもらえない | 入社してもらえる |
理想はセレクション、アトラクション相互に高い状態で、この場合にマッチした人に入社してもらえます。
逆にまずいのは、セレクションの質が低く、アトラクションの質が高い場合です。アンマッチな人が入社することになります。
こういった関係性を元に考えるとまずは先にセレクションの質をあげ、そのあとにアトラクションの質を高めるのが好ましいと考えられます。
まとめ
採用において企業が「選ぶ側」という意識が強かった時代においてはアトラクションとの関係性を気にする比率は低かったかもしれません。
エンジニア採用は激戦で、企業が一方的に選ぶ場ではないためこの両者の関係性を踏まえた選考設計・実施が重要です。