クチコミデザインはSNS、ブログなどによるクチコミをどのように設計するか?
という内容に関する書籍です。
3行まとめ
目的 と ターゲット を明確にし、
生活者の心や行動 を知りつくした上で
きっかけメディア と、拡散メディア で レバレッジのきいたクチコミを設計する
気になった点を抜粋
クチコミデザインとは?
クチコミデザインとは生活者の心が動くきっかけを作り、クチコミが素早く広がる仕組みを設計すること。
生活者の興味・関心を深く理解する必要がある。
また、ソーシャルメディアを利用することで拡散にレバレッジをかけることができる。
クチコミはターゲッティングをした上で届くべき人に対して広めていくことが重要である。
インフルエンサー
SNS、ブログなどの文脈におけるインフルエンサーはカリスマ的な影響力を持つユーザー。
特定分野の専門家、有名人などが典型的ですが、一般人の中でも特定領域に関して強い影響力を持つ人もいます。
アンバサダー
商品の魅力を自ら広めてくれるファンのこと。
アンバサダーは必ずしもインフルエンサーではないが、インフルエンサーがアンバサダーになってくれると、
企業にとっては非常に心強い存在となる。
インフルエンサーに狙ってなることは難しく、なる場合も時間を要します。
そのため影響力が少ないアンバサダーがインフルエンサーになるのを待つよりも
インフルエンサーがアンバサダーになってくれるようなプロダクトを作ることが大事になります。
例えば、情報共有サービスの esa があります。
私はこのサービスのファンで勝手に宣伝しまくっていますが、インフルエンサーではありません。
おそらくこのサービスの登録ユーザー数に対してそれほど大きい影響を与えていないでしょう。
書籍「数学ガール」など、人気書籍を多数執筆している結城浩先生も esa のファンです。
結城先生も esa の紹介記事を書いたりSNSで言及したりしています。
おそらく結城先生の影響で esa を使い始めたユーザー数は少なくないでしょう。
人 | アンバサダーか? | インフルエンサーか? | 登録ユーザーへの影響 |
---|---|---|---|
📺 てぃーびー | ○ | ☓ | △ |
👻 結城浩先生 | ○ | ○ | ◎ |
メディアの2分類
情報発信の起点となる きっかけメディア 。例えばブログやメディアサイトなど。
情報が拡散される 拡散メディア 。例えば Twitter や Facebook 。
キャズム理論
消費者は以下の5つに分類されます。
No | Name | Description | Rate |
---|---|---|---|
1 | イノベーター | 新しいものを積極的に試してみる人 | 2.5% |
2 | アーリーアダプター | イノベーターほどではないが流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する人 | 13.5% |
3 | アーリーマジョリティ | 新しい技術や商品の採用には比較的慎重な人 | 34.0% |
4 | レイトマジョリティ | 新しい技術や商品の採用には慎重で懐疑的な人 | 34.0% |
5 | ラガード | 保守的な人 | 16.0% |
クチコミを広めるには全体の多くをしめるアーリーマジョリティ、レイトマジョリティにリーチする必要があります。
(初期市場とメジャー市場の間には「キャズム(深いミゾ)」があるというキャズム理論に基づく)
そのためにはアーリーマジョリティ以降に対して影響力の強いインフルエンサーに
アンバサダーになってもらう必要があります。
また、それを実現するためには「ターゲッティング」が重要になります。
書籍ではアーリーマジョリティの中にいるキーマンを狙うことを推奨していますが、
ちょっとここは疑問に思いました。
新しいもの好きで、便利なものを色々しっているイノベーターやアーリーアダプターがアーリーマジョリティ以降に対して強い影響力を持つ
ことは十分にありそうですよね?
つまり、 自分自身がどの層に属しているかどうかと、どの層に影響をあたえるかは別問題なので
アーリーマジョリティに対して影響を与えたい場合にアーリーマジョリティをキーマンとして考える必要はないのではないか?
と私は考えました。
いや、しかしクチコミマーケティングのプロが書いた本だし、素人の私が考える内容のほうが怪しいものですが。
まとめ
Webマーケティングに関わる方、Webサービスに関わる方、SNSやWebとユーザーの関係に関心のある方に
とっては興味深い書籍になると思います。
参照
- 作者: 近田哲昌,三木佑太
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2014/07/22
- メディア: 単行本
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