この記事は2021年の Employee Experience Advent Calendar の23日目です。
Career Pathing とは?
Career Pathing は、個人が会社で経験する一連の仕事であり、ロードマップです。現状の位置から個人として目指すゴールに対して、今いる環境でどれだけ求める経験ができるかが従業員個人にとって重要になってきます。
仮に、どんどん成長したいと考えている従業員にとって経験機会・成長機会が枯渇した環境は魅力がなくなります。結果、退職につながります。実際に、「新たに得られる経験がなくなったので転職する」「学べる相手がいなくなったので転職する」という話はちょくちょく耳にします。
マネージャーによる支援
Career Pathing の支援者として主役になるのは直属のマネージャーです。 マネージャーはメンバーとのやりとりの中で、
- ToBe - 直近~中長期でどういった方向性を目指しているか?
- AsIs - 今の環境でそれが実現できそうか?
などを確認します。結果として、キャリアに対する ToBe / AsIs / Gap を確認できます。 Gap が大きければ、 ToBe に近づけることができるようなサポートが必要になります。
Career Pathing の支援施策
Career Pathing の支援施策としては以下のようなものがありえるでしょう。
- 異動希望制度
- 短期社内留学制度
- 1on1 による定期的な Will / Can / Should チェック
- 経験機会を加味した業務アサイン
- 各業務の責務や、遂行に必要となる知識・スキルの洗い出し
- この部分が明確になることで、どのような経験やスキル習得ができるかがわかりやすくなります
- 多様なキャリアパスの用意
特に大きいのは、多様なキャリアパスと1on1によるサポートでしょう。 例えば、キャリアの登り方がマネジメントパスしかなければ、エキスパート志向の人は辞めてしまいます。また、マネジメント・エキスパートとして組織が基本パターンとして用意しているパスの枠に収まらない独自の強みを持つ社員が居た場合、その人オリジナルのキャリア機会を提供できるとなおよいです。私自身も Employee Experience の向上にフォーカスした役割として Employee Experience Engineer というオリジナルのキャリアパスを自ら提案し、受け入れてもらっています。
Career Pathing と環境
ビジネスが継続成長すると、経験機会の種類や難易度が豊富になります。結果として、各自が得たい経験を得やすくなります。逆にビジネスの広がりがないと、既存の人で役割が埋まってしまいやすくなります。結果として新たな挑戦をしたいが、その役割は既存メンバーで埋まっている形になりやすく、結果的に経験機会を得にくい環境になっていきます。
Career Pathing とタイミング
キャリアパスのすり合わせなどについては、入社オンボーディングから・・・と主張する情報が多いですが、実際は選考中から認識合わせが始まっています。キャリア・転職軸として求めているものを選考・オファー時にしっかりすり合わせておくのが好ましいです。
Career Pathing Tool
Career Pathing Tool は、その名の通りキャリアパス構築を支援するツールです。
以下のようなサービスがあります。
- Career Pathing & Growth Journeys – Fuel50
- Career Pathing | TalentGuard
- PathSavvy - Clear Pathways to Successful Careers
機能としては
などが典型のようです。
まとめ
仕事は人生の多くの時間を締めます。その時間を充実したものにしていく意味でも求めるキャリアを満たす充実感を得られるかどうかは大きな差です。個人のキャリア成功は結果として組織の成功にもつながるため、従業員個々人のキャリアと向き合ってサポートしていくとよいでしょう。