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EX Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

認知を拡張するパートナーとしてのAI。タスクばらしを通じた暗黙知の形式知化

生成AIの機能向上にともない、私たちが依頼できるタスクの粒度は着実に大きくなっています。

タスクの実行をすべてAIに丸投げできる状況であれば話は単純ですが、実務では人間とAIが協力して進める部分が混在することがほとんどです。その場合、タスクばらしを通じて、人間が担うべき領域とAIが得意な領域の境界線を適切に引く必要があります。

この記事では、生成AIを活用して実務的なタスクを分解し、共創のプロトコルを整理した過程をまとめます。

仮のお代での検証

今回は、社内勉強会の結果をNotebookLMにまとめ、その仕組みを周知するための資料作成というお題で検証しました。

Geminiの思考モードを活用したところ、以下のようなプロセスで整理が進みました。

仮想のお題

あなたは、複数の社内勉強会の運営をしています。社内勉強会の結果をNotebookLMにまとめ、参加していない人にも内容を共有する仕組みを整備しました。その仕組を社内勉強会の運用関係者に共有し、利用を促すことを目的とした資料を作成しようと思っています。

  1. プランニング : ターゲットとゴールを人間が決定し、AIに資料のコンセプト案を作成させます。
  2. 構成案作成 : 資料に含めるべき必須要素を人間が列挙し、AIに論理的なアウトラインを生成させます。ここでは、問題定義で明確にしたギャップを埋めるための構造を意識します。
  3. コンテンツ制作 : AIが詳細なドラフトを執筆し、人間は実際の画面キャプチャや社内限定のコンテキストを注入します。図解のコード生成などはAIの得意領域です。
  4. スライド生成 : Markdownで作成した構成案をClaude Designに渡してスライド化します。

人間とAIの境界線

検証を通じて再認識したのは、意思決定と価値の接続は人間が担い、論理的な構造化や執筆はAIが担うという役割分担の有効性です。

実践的思考の観点では、成果に対して責任を引き受ける姿勢がリーダーシップや信頼に繋がるとされています。AIが生成したアウトプットに対しても、最終的な品質チェックや社内規定との整合性の確認は、人間が責任を持って行う必要があります。

また、AIに丸投げするのではなく、レビューを通じて差分を調整する工程を入れることで、自身の思考の癖やバイアスを客観視するメタ認知の機会にもなります。

検証内容の詳細

実際にGeminiとやりとりした内容です。

入力

社内勉強会の結果をNotebookLMで共有する仕組みを整備しました。これを関係者に共有するための資料を作るので、必要な手順をタスクばらししてください。

出力

社内勉強会の結果をNotebookLMで共有する仕組みの周知資料作成について、タスクを分解しました。全体構造の設計から具体的なコンテンツ作成、そして実際の共有・定着化までの手順です。

### 1. 前提条件の整理とゴール設定(プランニング)
まずは資料の方向性と全体像を確定させます。

- [ ] **ターゲットの明確化**
  - 資料の読み手は誰か(勉強会参加者、欠席者、マネジメント層、全社員など)
  - 読み手のAIツールのリテラシーレベルの想定
- [ ] **資料のゴール設定**
  - 読み手にどうしてほしいか(単なる認知、実際にNotebookLMを触ってもらう、運用ルールを守ってもらう、など)
- [ ] **アウトプット形式の選定**
  - ドキュメント(社内Wiki、Notionなど)か、スライド(プレゼン用)かの決定
- [ ] **コアメッセージの定義**
  - 「なぜNotebookLMを使った共有の仕組みを導入するのか」(得られるメリットや解決する課題)を1〜2文で言語化する

### 2. 構成案(アウトライン)の作成
詳細を書き始める前に、骨組みを作ります。

- [ ] **導入(背景と課題)**
  - 従来の共有方法の課題(例:動画を見返す時間がない、資料だけでは文脈が分からない)と、導入の目的
- [ ] **仕組みの全体像(システム構成/フロー)**
  - 勉強会終了から、NotebookLMで情報が閲覧可能になるまでのフロー
- [ ] **利用手順(ユーザー向け)**
  - NotebookLMへのアクセス方法
  - 効果的なプロンプト例(質問の仕方)
- [ ] **運用ルール・注意点**
  - 扱う情報のセキュリティレベル(入力してはいけない情報など)
  - アクセス権限の管理について
- [ ] **Q&A・問い合わせ先**
  - よくある質問と、トラブル時の連絡先

### 3. コンテンツのドラフト作成と図解
構成案に沿って、具体的なテキストや図を作成します。

- [ ] **テキストのドラフト執筆**
  - 簡潔で論理的な文章を心がけ、装飾的な表現(バズワードなど)を避けて事実と手順を記載する
- [ ] **NotebookLMの操作画面キャプチャの取得**
  - 実際の画面(ソース参照、チャットUI、オーディオ概要機能など)のスクリーンショットを準備する
- [ ] **全体フロー図の作成**
  - (必要に応じて)データがどのようにNotebookLMに取り込まれ、ユーザーに届くのかを視覚化する(mermaid.jsでのフローチャートなど)
- [ ] **実用的なプロンプトのサンプル作成**
  - 「この勉強会の要点を3つ教えて」「〇〇というキーワードについて、〇分頃の議論を要約して」など、すぐに使えるプロンプトを3〜5個用意する

### 4. レビューと推敲
配布前に品質を確認します。

- [ ] **セルフレビュー**
  - 手順に抜け漏れがないか、AIツールに不慣れな人でも理解できる言葉遣いになっているかを確認
- [ ] **テストプレビュー(任意)**
  - 仕組みの構築に関わっていない第三者(身近な同僚など)に一読してもらい、分かりにくい点がないかフィードバックをもらう
- [ ] **資料の最終調整**
  - フィードバックを反映し、レイアウトや誤字脱字を修正する

### 5. 共有と定着化(デリバリー)
作成した資料を関係者に届け、使ってもらうための準備です。

- [ ] **アナウンス文(チャット/メール)の作成**
  - 資料のリンクと、結論(何ができるようになったか)を端的に伝える案内文を作成
- [ ] **フィードバック収集ルートの設置**
  - 「使ってみた感想」や「うまく回答が出ない」などの意見を拾うためのフォームやチャットチャンネルを準備する
- [ ] **資料の公開とアナウンスの実施**
  - 適切なタイミングで関係者へ告知を行う

ざっくりした依頼をしたので、的はずれなタスクばらしをしてくる可能性を想像していましたが、むしろ前提を確認する工程を含めてきました。 適切です。おそらく、前提を明示していたら後続からタスクばらししてくれたでしょう。

入力

人間とAIの分業を踏まえて、時系列のタスクにばらしてください。担当が分かる形式で書き出してください。

[例]
H : 人間
A : AI

# プランニング
- [ ] H : ターゲットの決定
- [ ] H : コアメッセージの確定
- [ ] A : ターゲット、コアメッセージの箇条書きから資料向けのメッセージの素案を作成
- [ ] H : 素案のレビュー&補正

# 構成案作成
- [ ] H : 資料に含めたい必須要素の選定
- [ ] A : アウトラインの素案作成
- [ ] H : アウトラインのレビュー・補正
:続く

出力

人間(H)の意思決定と、AI(A)の構造化・執筆能力を組み合わせた時系列のタスクリストです。

作業の「中身」はAIに作らせ、人間は「方向性の提示」と「品質の担保」に回ることで、最小限の工数で高品質な資料を仕上げる構成にしています。
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### 1. プランニング(骨子と方向性の決定)

* [ ] **H** : ターゲット(誰に)とゴール(どうなってほしいか)を決定
* [ ] **H** : コアメッセージ(なぜNotebookLMを導入するのか)の抽出
* [ ] **A** : ターゲット・ゴール・メッセージを基にした「資料のコンセプト案」と「導入文」の作成
* [ ] **H** : 作成された文章のレビュー・最終決定

### 2. 構成案作成(情報の整理)

* [ ] **H** : 資料に必ず盛り込むべき要素(運用ルール、権限、禁止事項など)を列挙
* [ ] **A** : 列挙された要素を論理的に配置した「目次案(アウトライン)」の生成
* [ ] **H** : アウトラインの論理構造に違和感がないか確認・補正

### 3. コンテンツ制作(実制作)

* [ ] **A** : アウトラインに基づき、各章の詳細な文章(ドラフト)を執筆
* [ ] **H** : 実際の操作画面のキャプチャ撮影と、社内限定リンク(NotebookLMのURL等)の準備
* [ ] **A** : 業務フローのテキストを基に「Mermaid.js用フロー図コード」を作成
* [ ] **H** : 生成された図のロジックチェックと、キャプチャ画像の挿入
* [ ] **A** : 利用者がすぐに使える「NotebookLM用プロンプト例(質問集)」を5〜10パターン生成

### 4. ブラッシュアップ(推敲と校閲)

* [ ] **A** : 全体の誤字脱字チェック、およびITリテラシーに応じた「用語の平易化」
* [ ] **H** : 社内セキュリティ規定や、機密情報の取り扱いに関する表現の最終チェック
* [ ] **H** : 資料の最終整形(レイアウト調整、リンクの有効性確認)

### 5. デリバリーとフォロー(周知と定着)

* [ ] **A** : 展開チャネル(Slack、Notion、メール等)に合わせた「告知用アナウンス文」の作成
* [ ] **H** : アナウンスの実施と、フィードバック収集用の場(チャンネルやフォーム)の設置
* [ ] **H** : 寄せられた質問を整理し、**A**と共に「Q&Aセクション」を更新・拡充

計画を補正してみます。

入力

以下の2点を踏まえて修正してください。

* 利用手順書は作成済みなので、この資料ではあくまでこのツールの意義を伝え、利用を促進する部分にフォーカスし、詳細な手順は手順書へのリンクだけで済ませます
* スライドはMarkdownで構成案を作ったら、それを丸ごと渡してClaude Designで作成する予定です

出力

### 1. プランニング(「なぜやるか」の言語化)
- [ ] **H** : 既存の「共有の課題」と、NotebookLM導入による「変化(ベネフィット)」を書き出す
- [ ] **H** : 資料の最終ゴール(例:まずは1回触ってみてもらう)の再定義
- [ ] **A** : 上記を基に、読み手の心に刺さる「コンセプト」と「キャッチコピー」を提案
- [ ] **H** : 提案から最適なものを採択し、資料のトーン&マナーを決定

### 2. 構成案作成(Claude Designを意識した骨子)
- [ ] **H** : スライドに含める「意義・ベネフィット」の主要項目を決定(課題→解決策→実用例→次の一歩)
- [ ] **A** : Claude Designで読み込みやすい、論理的な「スライド構成案(Markdown形式)」の初稿を作成
- [ ] **H** : 手順書へのリンクをどこに配置するか、構成案の動線を確認・修正

### 3. コンテンツ制作(スライド用Markdownの執筆)
- [ ] **A** : 各スライドの内容(要点、解説文、強調したいキーワード)をMarkdownで詳細化
- [ ] **H** : 既に作成済みの「利用手順書」のURLを用意し、資料内に埋め込む
- [ ] **A** : 仕組みの全体像を視覚的に伝えるための「Mermaid.js図解コード」をMarkdown内に含める
- [ ] **A** : 利用イメージを膨らませるための「具体的な活用シーン(ユースケース)」のテキストを生成
- [ ] **H** : 全体の文脈が、社内の文化やコンテキストと乖離していないか最終チェック

### 4. スライド生成・調整(Claude Design連携)
- [ ] **H** : 完成したMarkdownをClaudeへ入力し、Artifacts(Claude Design)でスライドを生成
- [ ] **H/A** : デザインの調整(「もう少しビジネスライクに」「図解を強調して」などの指示をAIに出して微調整)
- [ ] **H** : 生成されたスライドをPDF化、あるいは社内共有用ツールへエクスポート

### 5. デリバリー(利用促進の実施)
- [ ] **A** : 資料の公開に合わせて「使ってみたくなる」ような告知用メッセージ(Slack等)を生成
- [ ] **H** : 資料を公開し、既存の「手順書」とセットで関係者へアナウンス
- [ ] **H** : 導入後の反応を見て、意義が伝わっているかを確認し、必要に応じてQ&Aを追加

まとめ

AIによるタスクばらしは、単なる作業の効率化だけでなく、自身の思考をデバッグし、暗黙知を形式知へと変換する強力な支援ツールになります。詳細な前提条件や個人の好みを注入し、AIとの思考のOSを同期させていくことで、より精度の高い実務支援が得られるようになると感じています。

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