仕事において、自分が他者に何かを期待するとき、他者が自分に期待するとき。 相手との関わりが薄ければ薄いほど、お互いが持つ制約を前提に入れずに相手への期待を持ちやすいと考えています。 その状況がどのような意味を持つか、まとめます。
前提としてこの記事における話は仕事における期待に関する話題に限定します。
相手から自分目線
自分がなにかの業務に取り組んでいる時、その場には様々な制約が存在します。
例えば、手持ちの業務、部門の方針、個別の業務内での制約など。場合によっては私生活の事情などもあるでしょう。
基本的に自分自身の業務については、これらを把握した上で進めています。
例えば、
- 4プロジェクト兼務している
- 部門の方針としてしくみで解決するものは対象だが、個別に解決するものは対象外としている
- 1プロジェクトに関しては気難しい人物が関与していてスピードがでにくい
- 絶賛育児中で睡眠不足になりがち
などがあったとします。
仮に、自分が取り組んでいるプロジェクトAの成果に対して不満のある同僚が「もっとこうすればいいのになぜできないのか?」というように、相手視点での「こうあって欲しい」という期待値を元にした不満をぶつけて来ている状況があったとします。実際に自分目線だと現状の制約でベストを尽くしていて、指摘された内容が現段階でできていないのは承知の上でなんとか切り盛りしていたとして、指摘の言い方次第では良い気分では無いでしょう。
自分から相手目線
逆に自分が普段内情をよく知らない他の部門の人の成果物を見て、フィードバックをするときにも同じことが起こりえます。
実際のところは言い方によりますが、仮に前提を踏まえず相手の落ち度と取れるような強い言い方をしてしまうと、関係性が悪化しやすくなります。
片方の論理
今度は、誰かから誰かに対する不満を聞いた時を考えてみます。
この場合も、不満を持っている側は不満を持たれている側の前提をすべて知っているとは限りません。
相手は制約を踏まえて考えるとむしろかなり頑張ってくれている可能性すらあります。
そのため、片方の論理だけで、誰かに落ち度があるような話を聞いてもすぐに同調しないほうがよいのですが、実際にはついつい同調してしまうこともあるでしょう。
まとめ
見えていない背景が存在する、ということに思いを馳せつつ、相手に不備があると断定せずに丁寧にコミュニケーションをする必要があるでしょう。