信頼残高は一般的に仕事における個人に関して語られる要素です。
一方で、組織が社員から信頼を得ているか、という点でも考えてみることができそうです。
組織の信頼残高とは?
人間同士の信頼の積み重ねの量について言及するとき、7つの習慣で紹介されていた「信頼残高( Emotional Bank Account)」で表現されることがあるのではないでしょうか。 これは個人の信頼に関するものですが、その組織版が「組織の信頼残高」です。
7つの習慣における(個人の)信頼貯金は以下の6つの方法で増やすことができるとされています。
- 相手への理解
- 小さな気遣い
- 約束の遵守
- 期待の明確化
- 誠実
- 信頼残高を引き出すときに謝ること
これを組織視点で考えてみます。主語は組織やマネージャーの想定です。
- 社員の理解
- 社員への小さな気遣い
- 社員との約束の厳守
- 社員への期待の明確化
- 誠実であること
- 信頼残高を引き出すときに謝ること
信頼残高の効果
信頼残高の効果としては以下のようなものが見込まれるでしょう
組織の信頼残高に影響を与える変数
- 社員の声を聞いているか?
- 社員の内なる声を引き出しているか?
- 引き出した声にどのくらい応えているか?
- 引き出した声に応えたという事実を知らせているか?
- 社員との約束を守っているか?
- 社員への感謝を伝えているか?
- 情報非開示は不安を広げ、信頼を損ねる。情報開示範囲を広く保っているか?
- 声は受け取ったが、制約により応えられない部分、優先順位としてはあとになる部分を知らせているか?
- 組織への貢献を求めるだけではなく、社員個人の人生の成功に寄り添っているか?
まとめ
個々人の信頼関係は1対1の積み重ねです。一方で組織の信頼関係は1対Nとなるため、損ないやすく得にくいものとなります。 例えば組織がAさんの信頼に応える動きをしたとして、それがBさんの信頼にもこたえるかどうかはわからないためです。 その意味で信頼を損なわないためにも、情報の開示範囲を可能な限り広げ、不要な推測による不安・不信頼の発生を防いだほうがよいのでは、と考えています。