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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

日本の国・組織の信頼の現状と未来、その回復における CBO の役割について

SNSなどにおいて国や組織に関する不満を見ない日はない、というほど
不満を目にする機会が多いです。それは日本に限らないかもしれませんが、
実際に世界における日本の「信頼」はどの水準なのだろう、ということが分かる資料があります。

その資料について触れた上で、信頼を得た組織の事例と、信頼の回復としての CBO の役割について考えてみようと思います。

信頼度調査

Edelman Trust Barometer という信頼度調査があります。
今年で18年目となるグローバルな信頼度調査です。
この信頼度調査では自国の政府、企業、メディア、NGOに対する信頼度を計測しています。
2018年の調査結果が以下になります。

APACMEA の信頼度

2018年の信頼度調査のAPACMEA(アジア太平洋地域、中東、アフリカ)のレポートが以下になります。

www.edelman.com

日本の信頼度

2018年の信頼度調査の日本のレポートが以下になります。

"日本の調査対象者が抱く自国に対する信頼度(自国の政府、企業、メディア、NGOに対する信頼度の平均値)は、 調査対象28カ国の中で二番目に低く、知識層[2] からの信頼度も三番目に低い結果"

日本人が考える国・組織に対する信頼は世界的に低いようです。
また、スライドが以下になります。

企業主導での信頼回復が望まれていて、そのためにはCEOが信頼される組織づくりをしていく必要がある、という結論になっているようです。

信頼を味方につけたザッポス

ザッポス は靴を中心とたアパレル関連の通販小売店です。
その徹底したカスタマーサービスで顧客の信頼を勝ち取っています。
結果として、口コミによって顧客を広く獲得する結果につながっています。

www.supporttimes.com

ブランディングマーケティングに詳しい戦略コンサルタントである Mark Schaefer 氏のブログで、インフルエンサーマーケティングの重要性が語られていますが、ここでも信頼が鍵となる要素として登場します。

medium.com

CBO - Chief brand officer

信頼される組織というのが仮に内外へのビジョン共有が行き届いている組織だとします。
これは誰が推し進めるのでしょうか?
日本だと古き良き経営コンサル会社がいにしえの資料をもとにコンサルし、
それをきいた経営者が言われるとおりに作り上げ形骸化する・・・なんていうことがありそうです。

ここで、比較的新しい役職があります。
CBO です。

CBO - Chief brand officer は Chief branding officer とも呼ばれるようです。

CBO に関する情報はチカイケ秀夫さん関連で調べると色々とでてきます。

note.mu

ここで重要となるのは本物の信頼です。
つまり、組織内外の評判の一致ですね。

組織内はお客様のために、良質の製品・サービスを提供する。
お客様はその製品サービスや体験を通して企業を信頼する。
組織がお客様に「こういうふうに幸せになってもらいたい」と考えていることと、お客様が実際に感じることの内容が一致しているとき、その評判はブランドとなり一気に広まるように思います。
それを推進する一つの役割が CBO の役割のひとつというわけですね。

まとめ

インターネットの普及、SNSによる評判情報の広まる範囲の広さや広まる速度の速さの変化により、信頼の重要性が上がっています。
組織を運営する立場なら、この点を踏まえて振る舞う必要があるでしょうし、
所属企業を選ぶ個人であれば、企業選定時にこの点を踏まえる「言動が一致している会社」を探すとよさそうですし、
個人の視点からみると、個人の信頼=パーソナルブランディングが重要になりそうです。

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