田中さんと佐藤さんがいたとします。
田中さんと佐藤さんは業務 A, B, C で協業しています。また、佐藤さんはこれ以外にも D, E, F の業務を持っています。
田中さんはAという業務に関して困ったことがあったので、佐藤さんに
「詳細の資料がなくて困ってるんですが、どこにあるかわかりますか?」
と質問したとします。
このとき、佐藤さんがコンテキストスイッチの能力が高い場合、
- 話しかけられたときまでやっていた業務の内容から話しかけられた内容に頭を切り替える
- 田中さんの曖昧な質問から、業務 A, B, C どれに関する内容なのかを推測する
- B と判断する
を瞬時に行った上で、
「Xドライブの『バックアップ(3)/【最新版】新しいファイル_コピー.xls』だよ」
と即答します。
逆に、佐藤さんのコンテキストスイッチの能力が低い場合、
- A, B, C どの業務のことだろう?
- ・・・うーん(しばらくフリーズ)
となり、
「A, B, C どの業務の話か、もうちょっと詳細を教えてくれる?」
と質問することになりそうです。
スッと推測して答えてくれる人だと楽なのでついつい荒い質問をしたくなることもあるかもしれませんが、人間は本質的にコンテキストスイッチが苦手です。質問を持ち込む側の頭の中は A のみについて考えて質問をしていますが、受け手はどの話題なのか未把握の状態で聞いている、という点が重要です。そのため質問を持ち込む側が自身の頭の中にある前提情報を丁寧に共有することで、受け手が何の話題か楽に・正確に判断できるようになります。結果としてやりとりの質とスピードがあがることになります。