仕事の対人関係における他者に対する許容範囲には個人差があります。 また、取り扱う対象によっても許容範囲が異なります。
この記事では、他者に対する許容範囲と対象に関して整理します。
他者に対する許容範囲
他者に対する許容範囲は人によって異なります。例えば、仕事中に自分と意見が異なる人がいたとして、その人に対して許せないと思うのか特に気にしないのかは人によります。
他者に対する許容範囲と対象
他者に対する許容範囲は取り扱う対象によって異なります。例えば、「能力的に未熟な他者」に対しては寛容だが、「言葉遣いが攻撃的な他者」に対しては不寛容な人がいたとします。逆に「能力的に未熟な他者」に対しては不寛容だが、「言葉遣いが攻撃的な他者」に対しては寛容な人もいるでしょう。
極端な場合、どの人でも許せずに怒るような出来事に対してもニコニコして応じる事ができる人もいれば、大抵の人が気にしないような些細なことに対しても怒りを感じる人もいます。
許容範囲に影響を与える要素
価値観
個人の価値観は許容範囲に影響を与えます。
例えば、「人は当たり前に努力をするべきで未熟は本人の責任」という価値観の人は「能力的に未熟な他者」への許容範囲が狭くなりやすいでしょうし、「人は完璧ではないし成長できる」という価値観の人は許容範囲が広くなりやすいでしょう。
過去の経験
過去の経験は許容範囲に影響を与えます。
例えば、「攻撃的な人の被害に繰り返しあった」という経験を持つ人は「攻撃的な他者」への許容範囲が狭くなりやすいでしょうし、「物言いやぶっきらぼうだが、中身は心優しい人に繰り返しお世話になった」という価値観の人は「攻撃的な他者」への許容範囲が広くなりやすいでしょう。
関係性
他者との関係性は許容範囲に影響を与えます。
例えば、同僚のAさんが攻撃的な物言いをしてきたとき、Aさんとの関係が良好で信頼関係が出来ているBさんからすると多少きつい物言いでも許容範囲が広くなりやすいでしょう。一方で、Aさんとすでに敵対的な関係にあるCさんからすると同じ伝えられ方をしたとしてもBさんが感じるのに比べて許容範囲が狭くなりやすいでしょう。
視座・視野・視点
視座・視野・視点に優れているかどうかは許容範囲の範囲に影響を与えます。
例えば、視座・視野・視点に優れている人は同僚のAさんが攻撃的な物言いをしてきたとき、Aさんが発言している背景に思いを馳せたり、仮にその発言を許容せず、攻撃的な物言いで返した場合の悪影響を推測し、意識的に許容範囲を広げやすくなります。
まとめ
他者に対する許容範囲と対象に関して整理しました。
「他の人と比べて対人トラブル多いと感じている」「同じ出来事に対して自分だけが怒っている」などの出来事がある場合、自分の許容範囲について見つめ直してみるとよいかもしれません。