ワークサンプルテストは実務にできるだけ近い試験を行うことで、業務の遂行スキルを判定するための選考手法です。 様々ある選考手法の中で一番有効度が高いとされています。
Pros and Cons
Pros
- 高い信頼性
- 実務を元に作られるので妥当性が高い
- 悪影響が少ない
- 実務との関係性が深いため、候補者体験もよい -> アトラクトにつながる
- 候補者が職務スキルを偽装することが困難
- 実際に業務で使うツール、環境などを用いて実施することができる
Cons
- 管理コストが高いこと
- タスクが小さいものは判定しやすいが、例えば戦略系など施策と成果に長期を要するものへの適用が難しい
- より広い適性までは判断できない。例えば実際に入社したあとは試験内容よりも困難な業務に遭遇することがありえる
ワークサンプルの前提
職務分析
ワークサンプルは業務で利用するスキルを判定するため、どれだけ詳細に職務分析をしてあるかが重要になる。
テスト内容の有効性
テスト内容の有効性を意図して構築する必要がある
設備
業務の遂行に任意の設備が必要となる場合、その整備が必要となる。 また、習熟が必要な場合は実務ベースよりも候補者がなれているものの利用が推奨される。 例えば、ソフトウェアエンジニア職の場合のエディタや言語など。
テストの種類
トレーニング
主に未経験・ビギナーなど入社時に育てることが前提となるような方向けに、入社後に行うようなトレーニングを実施して、実際にキャッチアップしていける人かを確認するテスト。
状況
任意の状況を伝え、それに対してどのような意思決定をするかを候補者に回答してもらうテスト
忠実度
任意の状況に対する忠実度。忠実度が高いほどテストとしての質が高まるが、その再現度は職務内容による。 再現コストが低いならできるだけ再現度を上げることで忠実度を高めることが好ましい。
ワークサンプル
観察を通して評価可能な内容で実施をする。
有効性
内容の有効性
テストで実施される内容と実務で実施される内容を比較することで有効性を検証する。
評価の有効性
- 職務評価
- 普段職務評価をするのと同様に評価を行う。ただしバイアスの影響を受けやすい
- 成果物評価
- 成果物の質や量を評価する。この方法が使えるかどうかは職種による
- 指標の例
- 完了したワークサンプルの数
- ワークサンプルを完了するまでの時間
- エラーの数
まとめ
最も有効な選考手法とされるワークサンプルについてまとめました。
ワークサンプルを作るということは現状の業務を詳細に理解し、言語化し、選考に落とし込む必要があるということがよくわかります。その意味でも組織にとってよいことだな、と感じました。
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