Building an Innovative Learning Organization を読みました。
この書籍では学習する組織の必要性、文化、計画について、体系立ててまとめられています。読書内容の整理をかねて、アウトラインをまとめ、気になった点を抜粋します。
大まかな内容
- 学習する組織である必要性の理由
- 世界の変化が早くなっているから
- 学習する組織文化に必要な要素
- 正しいリーダー - CEOや学習施策の先導者
- 正しい人々 - 社員
- 正しいリソース - 時間、金額
- 正しい振る舞い - 協業、実験、情報共有など好ましい振る舞い
- 学習の計画
気になるトピック
21世紀 必要な能力
- Sense Making - 物事への意味づけ
- Social Intelligence - Social Intelligence - Wikipedia
- Novel and Adaptive Thinking - イノベーション思考、適応思考
- Computational Thinking - コンピュテーショナル・シンキング(Computational thinking)とは
- New Media Literacy - 新しいメディアを活用する能力
- Transdisciplinarity - 学際 - Wikipedia
- Cognitive Load Management - 認知負荷とは
- Virtual Collaboration
- Design Mind-set
- Cross-Cultural Competency
ここは自分にとって新鮮な情報がいくつかありました。例えば認知負荷マネジメント。人が物事を認知する活動は短期的な記憶を扱うワーキングメモリが主役です。ワーキングメモリは記憶できる量や期間に限りがあります。認知負荷マネジメントは、このような認知の過程で制限がかかる負荷に関して適切にマネジメントしていけるかどうか、という能力になります。
認知負荷は3つに分類されます。
- Intrinsic Load(課題内在性負荷) - 対象の難易度に由来する認知負荷。本人の現状レベルとの差分により変化します
- Extraneous Load(課題外在性負荷) - 関係のない要素に由来する認知負荷。認知対象以外の要素が紛れ込んでいる、目立っている場合などに発生します
- Germane Load(学習関連負荷) - 学習理解を促進するような認知負荷。スキーマ構築など
例えば、基礎レベルの異なる育成対象に関しては Intrinsic Load の差を加味する必要があります。
学習を阻害する Extraneous Load がないか確認する必要があります。
理解を助ける Germane Load が用意されているか確認する必要があります。
具体例としては、以下のUI/UXデザイナーの例がわかりやすいです。
まとめ
組織での学習に関わる情報が体系的にまとまっていて学習関連負荷の高い本だったと思います。
「大まかな内容」にまとめた内容は見出しレベルのものなので、それぞれの詳細がきになる場合は書籍を読んでみることをおすすめします。