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Ruby プログラマ tbpgr(てぃーびー) のブログ

2種類のシナリオ・プランニングでソフトウェアエンジニアの採用戦略を考える

起こりうる未来のシナリオを複数考え、関係者に共有することで、戦略を遂行する手法であるシナリオ・プランニングで、ソフトウェア開発者の採用戦略を考えてみます。
まず、前提として2種類のシナリオ・プランニングの説明をし、それぞれの考えをもとにシナリオを考えることにします。

※この記事の内容は思考実験です。特に人事採用周りの実務経験を豊富にもっているわけではありませんので、
実際のシナリオ内容は的はずれな部分もあるかと思います。あくまで2種類シナリオ・プランニングを説明する具体例として選んでいるだけです。

適応型シナリオ・プランニング とは?

適応型シナリオ・プランニングは未来に起こりうる複数のシナリオを考え、その変化に備え、適応していく手法です。

変容型シナリオ・プランニング とは?

変容型シナリオ・プランニングは未来に起こりうる複数のシナリオを考え、周りを巻き込み、未来を変容させる手法です。

採用シナリオ・プランニング

ソフトウェア開発者の人材不足から採用市場は激化する。
日本全体として労働人口は減少する。
売り手市場からなる悪環境からの離脱が増える。
全体として給与相場が上がる。
全体としてよりよい環境からの声がけなど、きっかけがあれば転職するけど普段は転職活動をしているわけではない、
という潜在転職層が多い。

大きく分けて、悪環境からの離脱をする層を狙うか、潜在転職層を狙うかという分類がある。
前者にアプローチするなら、一般の転職市場をメインにした採用戦略を練る。
後者にアプローチするなら、採用ブランディングをすすめつつ潜在層との接点を増やす採用戦略を練る。
全体に相場が上がることから、採用競争に勝つためにも事業の成功や利益率の向上が重要となる。

例えば、潜在層を選ぶ、予算は潤沢という前提でシナリオを作ってみます。

適応型シナリオ・プランニングによる採用シナリオ

  • 自社の環境を魅力的にするための施策をすすめます。社員の学習支援、開発環境の強化、福利厚生のために Matz を技術顧問に招く等々
  • 組織が外部の人材と接点を持つ機会を増やします。public な勉強会の開催や、カンファレンスのスポンサーや関与等
  • 社員が外との接点を持つことを推奨します。リファラル採用制度を導入し、社風にあった報奨制度(金銭とは限らない)を作ります

大雑把にこのくらいで考えます。

例えば、ここで「海外レベルの報酬のままでリモート勤務できる外資系の会社が大幅に増える」とします。
この際に、英語力の高い開発者の採用に関して、国内企業が採用競争に勝つことが難しくなってくるとします。
この状況が起こるか起こらないか、双方に対してシナリオを用意しています。

例えば、この状況が起こる場合に向けて事業の方向性を国内特化に割り切って、
英語力が高く外資に引き抜かれる可能性が高い開発者層は諦めて、国内層に集中していく方向性があります。

変容型シナリオ・プランニングによる採用シナリオ

  • 外部の関係者も巻き込んで潜在採用層が顕在化するプラットフォームを作ります
  • 新たに顕在化した層をプラットフォームから人材を獲得する施策を実施します

適応型とは異なり、与えられた環境をそのまま受けいれ、それに対応するのではなく、
ソフトウェア開発者の採用環境自体を主体的に変化させていくことで、未来を優位にすすめる計画を作ります。

ここでは細かな変容過程を省略しましたが、 U理論 で調べると詳細が出てきます。

まとめ

未来を予測には、創っていくこと。
未来に大きな影響を与えてきた人々は変容型のシナリオをつくってきた、と考えることができそうです。
それが意図的であれ、偶発であれ。

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