この記事は所属組織とは関係ありません。 組織診断ツールに関する話を各所できくし、たまたま 相談を受ける機会 も複数あったのでその構成そのものについて考えた場合に感じる難しさについてまとめます。
組織診断系は様々な落とし穴が存在し、組織をよくするために適切に利用するために乗り越える課題が多くあると思っています。 それを一つ一つ並べてみます。
組織診断ツールが持つ課題
診断時点で問題の設問の誤認を一定する可能性がある
診断の設問が抽象的であることもあり、同じ質問に対して全員が同じ意図で受け取って回答するとは限りません。 ここで齟齬がでると、解決対象の問題の選定や、実際に問題が何かを類推する際に認識齟齬が発生しやすくなります。
隠れる具体性
モチベーション系のツールは基本的に満足度を計測することになります。
逆に言うと不満があると、スコアが低くなることになりますが、例えば 5 段階で 1 と回答した場合の 1 の裏には回答者個々人の個別具体的な不満の原因があります。
しかし、その具体的な不満はアンケートのスコアという形に数値化されて曖昧になります。
改善施策の選定
組織診断の結果には多数の項目があり、その中から満足度の低さを基準に解決対象を選ぶことが多いと思います。 しかし、実際に必要なのはその組織にとって取り組む価値が大きく、それでいて現状の満足度が低い部分の改善が重要になります。 その視点がもれると、特に取り組む必要がない問題に時間を使うことになりかねません。
原因特定
「隠れる具体性」の部分と対をなす要素なのですが、個別具体的な不満が数値化され、その数値の低さから今度は逆に「数値のもとになった不満」を炙り出す必要があります。
そこでもともと従業員が感じていた不満を正しく把握することができなければ、そもそも取り扱う問題がズレてしまうので解決しても意味が無くなってしまうことになります。
また、社員のすべての不満が必ずしも解決すべきものとは限りません。その点での難しさがあります。
解決策
この前の段階すべてが適切に運用されてはじめて
- 問題が的確に発見される
- 問題から取り組むべき対象を適切に選定できる
- 取り組むべき対象の問題を明確に定義できる
という問題解決の前提まで到達することができ、ここからさらに適切な解決策を講じることではじめて「真の組織課題の解決」につながることになります。
まとめ
モチベーション組織診断ツールを使いこなして組織を適切に改善する、というのはこの全てをかなりの的中率でこなすということになります。
その凄みは想像するとはかりしれないものがあります。
圧倒的尊敬ッ!