問題解決には起こった問題にそのまま対処する対症療法と
真因を解決する原因療法があります。
真因までの道のりが複数ある場合、真因以外の途中にあるものに対する対応は
すべて対症療法とします。
この真因にたどり着くまでのステップを「距離」と考えます。
問題の原因と結果は、その結果を確認できるまでの時間は様々です。
問題に対する対応をすると、結果を即確認できるものもあれば、
1年以上しないと確認できないものもあります。
この結果にたどり着くまでの時間も「距離」と考えます。
この「距離」について考えてみましょう。
短距離の問題解決
問題の真因までのステップが少なく、結果を確認するまでの時間が短い問題、
つまり「短距離の問題解決」には以下のような特徴があります。
- 発見しやすい
- 結果を確認しやすい
- 問題と結果の関係を説明しやすい
これは取り組みまでの許可を得やすく、成果としても認められやすいとも言えそうです。
長距離の問題解決
問題の真因までのステップが多く、結果を確認するまでの時間が長い問題、
つまり「長距離の問題解決」には以下のような特徴があります。
- 発見しにくい
- 結果を確認しにくい
- 問題と結果の関係を説明しにくい
- 衝突を生みやすい問題点を指摘せざるを得なくなり、関係者の心理的抵抗への対応難度が高い
これは取り組みまでの許可や協力を得にくく、取り組んでいる最中も困難が伴い、
成果としても認められにくいとも言えそうです。
課題
ここで問題となるのは、本来長距離の問題解決のほうが望ましいケースにおいても、
問題の真因発見の難度が高い上に、実際にそこに対してアクションをとることの許可や協力を得ることが難しく、
さらに実際に解決するまでの道のりが険しく、ようやく許可を得て問題を解決しても、評価されにくいという点です。
例えばカイゼン・ジャーニーに代表されるような組織改善のノウハウは、長距離の問題解決が多く、
これらはものによって組織にとって非常に大きな価値を生むことになります。
組織力そのものを上げることになるので、単発の開発で生み出す利益とは影響度が異なります。
(開発の価値が低い、という話ではなくて)
こういった活動で成果を産んでいるが、組織も本人も生み出した多大な成果に気づかず、
特に評価に結びついていない・結びつけていないケースが多そうな気がしてなりません。
例えば自動テストが入っていない組織に自動テストを導入して広めた人。
例えばバージョン管理が入っていない組織にバージョン管理を導入して広めた人。
組織に対してこれらの成果が与えるインパクトってものすごく大きいと思います。
まとめ
問題の真因発見と解決が難しいことそのものは仕方がないとして、
問題の真因を解決するために許可や協力を得るための説得力のある説明力を磨くことと、
とにかく少しずつでも信頼貯金を貯めておくことが解決策なのかと思いました。
これができていることで許可、協力を得やすくなり、
かつ評価される可能性も上がることが予想されます。
ただ、それでも難しい場というのは存在しそうで、そのときは・・・