CodeIQ のサービスが moffers by CodeIQ に一本化されることとなり、
従来の出題・回答型のサイトとしての運用が終了となりました。
出題者を終えることとなったため、その歴史を
- 数値
- 出会い
- 機会
- 経験
- 価値
の側面からふりかえります。
数値
2018/03/09 時点のデータです
出題期間
2013/12 ~ 2018/04
出題数
年度 | 出題数 |
---|---|
2013 | 2 |
2014 | 38 |
2015 | 25 |
2016 | 17 |
2017 | 23 |
2018 | 2 |
合計 | 109 |
挑戦者数
年度 | 挑戦者数 |
---|---|
2013 | 29 |
2014 | 2,616 |
2015 | 1,794 |
2016 | 6,994 |
2017 | 5,480 |
2018 | 418 |
合計 | 17,331 |
記事執筆数
記事の最大ブクマ数
https://codeiq.jp/magazine/2015/02/21347/
出題前フォロワー数
twilog によると2015年1月時点では約 250 でした。
出題者を始めた当時多分 10 か 20 名くらいだったような気がします。
現在のフォロワー数
CodeIQだけが増加要素ではないですが、大きな要因になったとは思います。
出会いとCodeIQ
挑戦者のみなさん
- 手動採点時代の挑戦側のコメント・採点側のコメントでのやりとり
- ツイッターでのやりとり
- 一部の方はイベントや勉強会で直接会う
などがありました。
コードの話から、アニメの話まで色々と楽しませていただきました。
運営のみなさん
基本はリモートでやりとりしつつ、
出題に関するミーティングとして数回対面でお会いしました。
また、内部の関係者向けのイベントなどで数回お会いできました。
出題に関してはかなり自由にやらせていただき、
また私が気づいた問題を連携した際など、柔軟に対応いただきありがとうございます。
出題者のみなさん
内部の関係者向けの集まりで、最後まで出題していた方には概ね1回はお会いできました。
特別協業するわけでもなく、交流も薄かったですが、
きっとお互いツイッターのTLやCodeIQの問題一覧で意識していたと思います。
問題自体も他の方のものを参考に勉強させてもらいました。
ありがとうございます。
一緒に仕事をした人
CodeIQ があったことが直接的・間接的に影響して一緒にお仕事した人たちがいました。
どなたも圧倒的に優秀で、とても良い刺激をもらいました。
ありがとうございます。
Twitter で仲良くなった人
CodeIQ の出題者をやっていることで露出が増えて、 Twitter で仲良くなった人は多数いると思います。
私が認識していない範囲でも、「実はCodeIQがきっかけでてぃーびーを知った」という方はいるでしょう。
仲良くしていただいて、ありがとうございます。
機会
CodeIQ MAGAZINE の馬場編集長が柔軟なかたで、
こちらが提案・紹介した人による執筆を何度か受け入れてもらい、
結果として MAGAZINE 側、執筆者側双方の機会を生み出すことができました。
経験
自ら作り上げること
CodeIQ の出題者という仕事は一つしかありません。
やり方を教えてくれる人もいませんし、
他の出題者さんがいるとはいえ直接作問に関してやりとりがあるわけでもありません。
基本的には全て自分で作り上げて行く必要がありました。
答えのない問題に取り組む、というのは難しいもので、
この面で希少な経験を積めたと思います。
エンドユーザーとの近さ
CodeIQ の出題前、転職以前の私は SIer の下請けで開発をしていました。
基本的に発注者・エンドユーザーと関ることはありませんでした。
転職後である現職でも担当としてはあまりそういった機会はありません。
- ユーザー層を分析し、自分はどの層を狙うか?
- Twitter のつぶやきによるレスポンスをみてどのように改善するか?
- 挑戦者さんとどのような関係を築くか
- 特に作為的な振る舞いはなく、単に一緒に楽しんでいただけですけど
エンドユーザー=挑戦者さんと非常に近い距離での改善サイクルを回す経験は希少でした。
不備はクレームとして直接私に訪れる。
努力の成果はコメントやツイートで感謝や楽しんでいる声を伝えてもらえる。
そんな経験を得ることができました。
企画
問題の作成というのは企画の要素があります。
ターゲットユーザーに対してどのような価値を提供するか?
- 楽しさとは何か?
- 問題を解く快感とは何か?
- 口コミとはどのようなものか?
これは普段の業務では経験することができない要素でした。
自動化
初期の CodeIQ は手動採点でした。
そのため、簡単な選択問題であっても何も工夫がなければ採点は手動です。
そこで自分用の採点プログラムを作ることで、選択問題をはじめとした各種問題を
低コストで作成・採点できるようにしました。
2014年に大量の問題を出題できたのも、この自作ツールによるところが大きかったです。
そういった仕組みをさらに作り込むことでコードゴルフトーナメント問題である
「デスマコロシアムシリーズ」も開催することができました。
毎日採点し、挑戦状況をプログラムで集計して自動でブログコンテンツを生成し、つぶやく。
最終日にはトーナメント実行プログラムを実行し、結果をもとに記事のテンプレートを生成し、
自分のコメントのみを手動で追記する。
そんなことを続けていました。
場の作り方
コードゴルフトーナメント問題である「デスマコロシアム」には以下のような特性がありました
- 言語ごとの挑戦者数によってペナルティが変わる
- 最終日まで「どの言語を選ぶか」という心理戦やワクワクが発生する
- 毎日言語ごとの挑戦者数とコードゴルフの最短スコアがわかる
- 言語ごとの数や最短コードについて挑戦者間でワイのワイのしてる
- ワイのワイのしている様子を日々 Togetter でまとめる
こんなことを続けるうちに「デスマコロシアム」挑戦者さん同士の
コミュニケーションが色濃くなってきました。
特に狙って発生させたわけではないですが、人が集まる場ができる条件みたいなものを
体感した気がします。
この体験は、おそらく「しがないラジオ」や「カイゼンジャーニー」の応援にいかされていると思います。
物事の原因と結果に関する経験値
出題にまつわる改善ループを回すこと。
偶発的な出来事を味方につけること。
その出来事がなぜ起こったか考えること。
定型の業務では味わえない「アドリブ重視」の体験を多く味わったことによって、
ものごとの原因と結果に対して敏感になったように思います。
これにより
- ここは積極的に行動するといいことがある
- ここをケアしておくと後で問題になりにくい
などの能力が高まったように思います。
価値
CodeIQ は転職支援サービスです。
登録者のうち、転職意欲が強い方や機会があれば転職するという方と
募集企業がマッチングすることで価値が生まれます。
出題者としてこの価値を大きくするには
- 挑戦者さんの分母を増やす
- 採用側が採用の判断になりやすいような問題を作る
などの選択肢がありそうです。
後者は出題者側からフィードバックループを回すための基準が得られないことも有りますし、
解きごたえのある問題は既に他の方が作ってくれていたのもあり、
前者に絞って対応することにしました。
手動採点期は奇抜な問題で挑戦者数を増やし、
自動採点期はとにかく簡単で分かりやすい問題を用意することで初期参入を促すことや、
登録直後に難しくて解ける問題がない、という人を減らすことを狙いました。
入出力の仕様については、けっこう細かく決めて意識的にわかりやすくしていました。
それでも不十分な時はあって、お叱りを受けるなどして申し訳なく思っていましたが。
結果として、特別なイベント向け問題、企画向け問題、広告連動問題を除いた中では
挑戦者数の面でかなりの貢献をできました。
まとめ
出題開始時はブラックな多重請負の現場から転職したばかりで、
他の出題者さんに較べて特別秀でているわけでも、名前が売れているわけでもありませんでした。
開発者コミュニティとのつながりも一切ないので知り合いづてに挑戦してもらえるようなルートもありません。
私が出題者として参加した当時、大量の出題者がいて、その多くは一定以上の実績をもとに
「めちゃくちゃ有名」「どこかでみたことがある」「どこかできいたことがある」という人ばかりでした。
その中で試行錯誤をして長期的に信頼を得た結果、ここにまとめたような貢献や
出会いや、経験を得ることができました。
分不相応と断らずに「まずはやってみる」という決断をした当時の自分自身に
「でかしたぞ、おまえ」
といってやりたいです。