「うちのチームがうまくいってればいいっしょ」
その思考が起こす部分最適による暗黙知の発生とその影響について考えてみます。
この記事の内容は、お題化しています。
状況
組織の各チームにはそれぞれ素晴らしいノウハウがあるがチーム外に共有されていない。
たとえば
チームAは業務を効率化するためにツール1、ツール2、ツール3を作りました。
チームBは業務を効率化するためにツール4、ツール5、ツール6を作りました。
チームCは気合と根性と血と汗と涙と管理職の泣き落としで残業しています。
チームA,B,Cは交流していません。
実はツール2とツール6は同じ目的を果たすためのもので、ツール2のほうがツール6よりも10倍生産性が高いとします。
またツール1-6のすべてがチームCの業務にも役立つものとします。
この場合、
- ツール2とツール6を両方作ってしまっている
- ツール2を使えば全体の生産性が大きくあがったはずが、その機会を見逃している
- 各種ツールの提供によりチームCの生産性を上げ、残業を減らす機会を見逃している
ということになります。
体験談
昔の話し。
私の目の前にWeb未経験のメンバーのみで構成されたJavaのWeb開発チームがいます。彼らはPerlに慣れています。
私は一人プロジェクトでPerlの開発を担当しています。Web開発になれています。この時Perlは初体験です。
この状況で目の前のチームがWebの開発におけるあれこれで困っていました。
私は自タスクの納期に影響がでない範囲でサポートをすることによって彼らが悩む時間を減らしました。
仮にサポートしなかった場合、おそらくかなりの時間を余分にかける事になっていたと思います。
特にこのサポートは何かしらの評価の対象にはなっていませんが、必要だろうということでやりました。
まとめ
部分最適化には様々な原因があると思います。
例えば 評価制度 。
人事評価制度がチーム内の貢献に閉じていた場合、
チーム外・全社への貢献はするだけ無駄ということになります。
もちろん評価のためだけに働いているわけではないので、これだけで全員が部分最適する
というわけではありませんが動機は一つ減ります。
組織単位で見た場合、全体最適したほうが会社の利益は増えるはずです。
例えば 理念・目的の共有不足 。
会社全体としての理念・目的が浸透していない場合、
自分たちの個別の業務が全体に与える影響まで想像できずに
実は共有可能なノウハウを渡しそびれてしまうかもしれません。
例えば 組織全体の心理的安全性 。
言い出しっぺの法則や、変化を嫌う人たちの存在など、積極的に関与すると損をする
組織になっている場合は全体最適以前の話しでしょう。
メモ
暗黙知を形式化
この記事で紹介したような暗黙知の形式化をしていくために Sharain という手法を練り上げています。
Sharain (【ʃeəréɪn】)とは暗黙知を形式化するための手順です。
Share + Brain = Sharain です。
以下に関連記事をまとめています。