「このケースは遭遇したことがないけど、あのケースに通じる部分があるな。」
というように抽象的に物事を理解していると、具体的なケースに関しては未知であったとしても
どのように取り組み、どのように成功するかが類推しやすくなります。
このように物事をすでに知っているという状態(=既知)は、具体的なものと抽象的なものの
2種類があると考えることができます。
そこで既知の具体・抽象についてまとめたいと思います。
2種類の既知
既知を2種類に分けて考えます。
1つは 具体的既知 =具体的な対象をすでに知っていることです。
例えば、ラーメンはおいしい。そばはおいしい。うどんはおいしい。
例えば5次請けの開発は炎上しやすい、7次請けの開発は炎上しやすい。
もう1つは 抽象的既知 =具体的な対象をすでに知っていることです。
例えば、麺類はおいしい。
例えば多重請負は炎上しやすい。
※抽象的既知,具体的既知 は当ブログ上の造語です。
具体・抽象・既知・未知と成功
成功度 | 抽象的未知 | 抽象的既知 |
---|---|---|
具体的未知 | x | o |
具体的既知 | o | o |
「抽象的にも具体的にも未知なもの」は既知のものに比べて成功度が低い。
「具体的に既知のもの」は抽象的に未知だろうが既知だろうが成功度が高い。
「抽象的に既知のもの」は具体的に未知だろうが既知だろうが成功度が高い。
ここで注目なのが
「抽象的に既知」であれば「具体的に未知」でも成功度が高いということです。
抽象的既知とは何か?
対象を抽象的に捉えて理解している状態が「抽象的既知」です。
ものごとを抽象的に捉えることで「知っていること」の幅が格段に広がります。
個別・具体的なものは世の中に大量にあり、きりがありません。
逆に抽象的な理解は1つ理解するとそこに属する多くの具体的な事例を理解することができます。
抽象的既知の獲得方法
抽象的既知を獲得するにはどうすればよいでしょうか?
物事を抽象化する機会を得て、概念化することです。
振り返りをすることで物事を抽象化する機会を得ます。
例えばコルブの経験学習モデルを用います。
経験 -> 省察 -> 概念化 -> 思考
の 概念化 の部分で具体的な事例から抽象的な概念を獲得します。
具体的な経験を通して具体的既知を増やしつつ、
振り返りのタイミングで具体的既知から抽象的既知を増やすというわけです。
逆にこのような抽象化の機会を意識的に用意しない場合は、具体的既知しか増えません。
まとめ
1から10を知る人。
物事の学習速度が非常に早い人。
初めて遭遇すると思われるケースに対する対処がうまい人。
これらの人は過去の自己の経験や他人の経験(書籍から得た知識など)から抽象的な知識を獲得し、
その知識に当てはめることで、効率よく物事に取り組んでいるのではないでしょうか。
最後はプロレスラーの小島聡選手のツイートを
この画像、いつまで出回ってるんですか(¬_¬)? pic.twitter.com/iCwB0ft2FZ
— 小島 聡【SATOSHI KOJIMA】 (@cozy_lariat) 2014年10月19日
※記事タイトルの「1+1から200を知る。10倍だぞ10倍!」の元ネタはこれでした。
メモ
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