2026/06/10、エンジニアのキャリアを知るナイトというイベントに登壇しました。
今回はXでのやりとりをきっかけに登壇のオファーをもらいました。
てぃーびーさん、こんにちは!
— ふみふみ (@2323_code) April 23, 2026
こちらで反応いただいた件ですが、ぜひ詳しくお話し伺えたらと考えております!
可能であればフォローバックしていただき、DMでお話しできると嬉しいです!
よろしくお願いします!
イベント概要
エンジニアのキャリアを知るナイトとは? 「エンジニアだけど、エンジニア以外のキャリアも気になる...」
「職種を移すことを検討しているけど、イメージが湧かずあと一歩が出ない…」
本イベントは、そんないろんなキャリアに進んだエンジニアの話を聞きながら、自身のキャリア選択に役立ててもらいたい、という思いで立ち上がったイベントです。
発表内容
元ウェブエンジニアが軸を持って人事に転職したら大きくステップアップした話 というテーマで発表しました。
登壇概要
41歳でウェブエンジニアから未経験の人事職へと舵を切った、私のキャリアチェンジの軌跡をまとめました。
41歳での決断:エンジニアから人事への転身

エンジニア時代の約20年間は、2年目に一人前の開発担当者に達して以来、ずっと同じ責任範囲の仕事をしていました。転機となったのは、優秀な同僚の退職です。これを機に自身のキャリアを見つめ直し、新卒時にはやらなかった本格的な自己分析に取り組みました。

その結果、人の成長と充実を支援するというキャリアの軸が見つかり、自身の強みもプログラミングそのものより課題解決や他領域との掛け算にあると自覚しました。

この軸の確立・強みの整理、これに加えて家庭を支えるためにリスクを取る必要性の3つが、未経験領域への転職を後押しする材料となりました。
未経験からの急速なキャリアアップとその背景
人事転身後は、エンジニア時代を上回るスピードで責任範囲が広がりました。人事1社目では転職直後からエンジニア採用の業務を一人で担うことになり、そのあと評価制度の責任者も担当。その後、新メンバーの採用に向けて人事内の評価基準の作成、チームのMVV策定、求人要件の整理から採用活動、そして入社した新メンバーの立ち上げに向けた育成・評価などを担当しました。
人事2社目では、立ち上がったばかりの組織開発の部門のメンバーとしてチームのMVVの整備から始まり、業務の進め方の整備など足回りの整備から始め、評価制度やサーベイフィードバックの運用などに取り組みました。途中からは組織開発部門のプレイングマネージャーをするまでに至りました。
現在は人事3社目として4月に入社したばかりです。

41歳・未経験・マネジメント経験なしでこのキャリアチェンジを成功させられた背景には、2つの要素があります。
- 概念化によるノウハウの適用: 具体的な業務に縛られず、これまでの経験を抽象化して他領域に活かせる人材だと評価されたこと。
- 社外の信頼貯金: 日頃からの外部発信や交流により一定の信頼を得ていたため、転職活動で門前払いされずに済んだこと。
転職後の苦労と、立ち上がりを支えた3つの要素

当然、転職後はエンジニア時代にはなかった人にまつわる難題に直面しました。合意形成や依頼予測、他者視点の理解、社内外のネットワーク構築の重要性を痛感し、新しい領域の知識・経験不足にも苦労しました。
この困難な立ち上がりを支えてくれたのは、次の3つの要素です。
- エンジニアスキルの応用: 開発スキルを活かした業務改善や自動化、エンジニア的な思考に基づく人事業務の仕組み化により、早い段階で社内の信頼を勝ち取りました。
- 徹底したふりかえり: 2013年から毎週続けているふりかえりの習慣が、積み重なったノウハウの資産となり、新環境への素早い適応を後押ししました。
- 内発的動機と周囲の支え: 明確なキャリアの軸があったからこそ難しい局面でも折れずに踏ん張ることができ、心理的にも業務的にも周囲のサポートに救われました。
生成AI時代の展望

これからの生成AI時代、仕事の責任範囲や職種の境界はますます溶け合っていきます。どのような職種であっても生成AIの活用、データリテラシー、業務プロセス改善のスキルが前提となりますが、エンジニア出身者はこの基盤が強い状態からスタートできるという大きなアドバンテージがあります。

キャリアチェンジの本質

キャリアチェンジを成功させる本質は、以下のサイクルを回し続けることにあります。
- 自己認識を磨いて軸を持ち、レジリエンス(心の回復力)を高める
- 内省(ふりかえり)を通して適応力を高め、既存のノウハウを新しい環境に素早く適用する
- 周囲から支援を受けられるよう、日頃から信用と信頼を積み重ねる
これらの取り組みは、転職時だけの一時的なものではなく、生涯にわたって積み重なる貴重な資産です。これらが生きていれば、職種を変えることはキャリアの「リセット」ではなく、それまでの経験を未来へつなぐ確かな「積み重ね」になります。
登壇の補足
個人のふりかえり
登壇へのXでの反応でもふりかえり方法が気になるという話がありました。 個人のふりかえりについては、以前ZennBookにまとめたので参照ください。
内面的自己認識と外面的自己認識
- 内面的自己認識 : 自分が自分をどう捉えているかに関する認識です。
- 外面的自己認識 : 他人が自分をどう見ているかに関する認識です。
自分の価値観や強みを自分目線で知り、他者目線でどう見えているか理解できると総合的な自己理解が深まります。
自己認識 - Self-awareness / 自らを知る|セルフリーダーシップ
自身の軸の把握
自分が何を重視して働いているのか、キャリアの軸を理解しておくことは非常に重要です。軸が明確であると、異なる職種に飛び込んだ際にも、組織が向かう方向と自分自身の足並みを揃えるアラインがしやすくなります。結果として、新しい環境でも自発的に動きやすくなります。
エンジニアスキルの転用
ウェブエンジニアとして培った問題解決のプロセスは、人事の領域でも非常に強力な武器になります。 例えば、組織の課題に対しては以下のようなプロセスでアプローチを試みました。
| フェーズ | アクションの内容 |
|---|---|
| 問題定義 | 理想の組織状態と現実のギャップを明確にする |
| 要因分析 | ギャップを発生させている根本原因を分析する |
| 恒久対応 | 仕組み化によって問題が再発しない状態を作る |
このように、エンジニア的な思考や仕組み化の視点を組織や採用のプロセスに適用することで、属人化を防ぎ、再現性のある成果を生み出すことができます。
期待値の調整
新しい職種に移る際は、マネージャーや周囲との期待値調整が欠かせません。自分が現状の立場でどのような役割や責務を担い、どの程度の水準の成果を求められているのかを確認し、ギャップを小さくしていく動きが必要です。ここが揃っていることで、新しい職種でも迷わずに事業成果へ貢献できるようになります。
生成AI時代の仕事について
現在の所属企業であるUbieで、責任範囲や職種の境界が溶けた仕事の例が今後発信される予定なのでお楽しみに。私のXアカウントをフォローしてもらってたら、関連する投稿をします。
関連する発信の一つをどうぞ。
他の登壇
新卒2年でフリーランスへ。元システムエンジニアが勢いで飛び込んでわかった、 ライターとしてのリアル
ますあかさんによる発表。
スライドは非公開です。
キャリア迷子上等 ─ "ない道"は自分で作ればいい
にしはらちひろさんによる発表。
まとめ
無事終了しましたー!!!ご参加いただいた皆様、登壇してくださった皆様、スポンサーをしていただいた皆様、本当に有難うございました!楽しかった! #場所をつくる pic.twitter.com/IusgP1g3no
— ふみふみ (@2323_code) June 10, 2026
発表後の懇親会で、複数の方から発表内容への感謝をもらったり、気になる点の質問をしてもらえました。役に立てたようで、登壇者冥利に付きます。
ちなみに、Xでも話題になっていましたが、運営のみなさんが全体的に運営スキルが高く、現職で初めて正式に技術広報の役職も兼務で持つことになった駆け出しとしては参考になる点が多くありました。 写真撮影OK、NGをストラップの色で判断できるようにしたり、Xへの投稿の促したり、懇親会では定番のパックマンルールで交流を促したりなどなど。