Tbpgr Blog

Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

多数の項目を扱う意思決定時のコミュニケーションにおける着実な確認

多数の項目を扱う意思決定のミーティングにおいて、齟齬なく意思決定をしていきたい場合のすすめ方についてまとめます。

アウトラインを作って進める

話すテーマのアウトラインを作って伝えること。この際に粒度を揃えること。

例えば、

  • システムAの機能fa1の要件について
  • システムAの機能fa2の要件について
  • システムAの障害ea1について
  • システムBの機能fb1の要件について
  • システムBの機能fb2の要件について
  • システムAの障害eb1について

というお題があった場合、

  • システムA
    • 機能要件
      • 機能a1
      • 機能a2
    • 障害
      • 障害ea1
  • システムB
    • 機能要件
      • 機能fb1
      • 機能fb2
    • 障害
      • 障害eb1

という構成で1つずつ話題を進めます。
「話しているのはイマココ」が常に明示された状態になります。それによって話がそれた場合もそれを把握し、指摘し、本線に戻りやすくなります。

構成の例を出すために上記のようなサンプルにしていますが、実際だったら「1つのミーティングに盛り込みすぎだろ」とツッコミが入るケースだろうと思います。
あくまで例示なので許してください。

1つずつ確認する

各項目を着実に確認していきます。

  1. 何を確認したいのか、前提を説明する
  2. 前提が正しく伝わったことを確認する
  3. 対応について議論する
  4. 議論の中で都度お互いの考えが擦り合っているかを確認しつつ、結論を導く
  5. 結論が固まる
  6. 結論について齟齬がないか確認する
  7. Next Action を確認する

なお、それぞれ全て口頭で済ませず書き残すことで、その後の齟齬や後続の実施フェーズにおけるぬけもれを防ぎます。

1つずつ確認する質について

各項目を本来の意図通り議論し、結論を導くにあたって、認識を揃えることが大前提になります。
しかし、人の会話は思ったより曖昧でお互い通じていなかったことをスルーしたり、通じていない事に気づかず見逃したりすることは珍しくありません。

伝わったか確認する

自分が伝えたことが意図通り伝わったか、確認するための質問をしましょう。 伝わっていなければ、伝わっていないことを確認できます。

この際に、「強い態度をとる怖い人」として認識されていると、相手はわからなかったことを伝えることに恐怖を覚え、分からなかった事実を隠してしまう場合があります。
どんなことでもいいやすい人として普段から振る舞っている必要があります。

理解したことを確認する

相手の発言を理解したことを伝えるため、自分の解釈を自分の言葉で説明しましょう。 理解がずれていれば相手が伝えてくれます。

訓練方法

こういった確認の繰り返しで議論の正確性は高まっていきます。一方で、

  • 自分の伝えた意図が伝わらない

という度合いがあまりに大きいと都度確認するコストが高すぎて時間内に結論に至ることが難しくなります。
短期的な解決は難しいかもしれませんが、少しずつズレを防げる様になる必要があります。

例えば自分の伝えた意図が伝わらない場合,自分由来で発生するズレとして

  • 自分が使った単語が本来伝えたい内容に即したものではない
      • チーム内や同一職種の人だけに伝わる用語を、それ以外の前提の人に使ってしまう
      • 自分しか使っていない独自用語 - 例えば、自分だけバグのことをゴキブリと呼んでいたとして、他人にもバグについて「ゴキブリが」と伝える
  • 複数の解釈をされる可能性がある単語を使った結果、別の意味で伝わる
  • 日本語として成立していない文章で伝える

などがありえます。

逆に聞き手が思考が飛躍しやすく、特に伝えていないメッセージを勝手に解釈する可能性もあります。この話のケースのような相手です。

相手に起因するケースは訓練が難しいので一旦置いておきます。

意図が伝わらない状態を解消する手段として、なぜ伝わらなかったのか原因を把握し、自覚し、一つずつ補正していくことです。
テキストコミュニケーションは絶好の素材で、やりとりがテキストで残っているのでどこで伝わらなかったをふりかえりやすいです。
口頭の場合は、録画があるとよいでしょう。

ただ、ここでの一番の障壁は、

  • 自分のコミュニケーションは伝わりにくいものであり補正の必要があると認めること
  • 自分のコミュニケーションは伝わりにくいという自覚を持った上で、その補正に協力してもらえる相互に信頼のある相手がいること

になりそうに思います。

まとめ

齟齬なく進むミーティングはおそらくこんな要素を自然に満たしているのでは無いかと思います。
逆に、なぜかわからないけど議論があちこちとんでいって、結論もわからない、というようなミーティングは上記の要素が抜け落ちているのだと思います。