背景に関する説明のない依頼・要望からは問題が発生する可能性があります。
以下の記事にまとめたような話になります。
とはいっても具体例が無いとわかりにくいと思うので、例示して説明します。
例 - テスターの増員
あなたはとあるプロジェクトのマネージャーです。ある日、テストチームのマネージャーからテスターの増員を依頼されたとします。
これに対して、即座に要員増加の対応をしました。すると、しばらくしてまたテスターの増員を依頼されました。多少の疑問は持ちつつもまた増員しました。こんなやりとりを繰り返すうちに、テストチームのメンバーはあっという間に5名も増員していました。
※説明のための例で、現実の話とは一切関係ありません
断片だけ渡した状態
上記のような問題解決の構図のうち、解決策としての「テスターの増員」のみが見えている状態です。
こんな感じですね。
断片を渡した側の想定
ここで、テストチームのマネージャーの思惑は以下だったとします
- 理想
- スケジュール通りにテストが実施できること
- 現実
- スケジュール通りにテストが実施できないと見込まれる
- テストチームのマネージャ-が考える問題
- 純粋にテストの物量に対してテスターの人数が不足している
- テストチームのマネージャ-が考える要因
- 必要なテスト数 > テスターになっている
本来の問題
改めて、なぜそんなにテストがスケジュール通りに進まないか調べていたところ真実は以下でした。
- 理想
- スケジュール通りにテストが実施できること
- 現実
- スケジュール通りにテストが実施できないと見込まれる
- 実際の問題
- 当初想定よりテスト項目が多い
- 実際の要因
- 自動テストで動作保証済みの部分も手動テストに含まれている
この前提に経つのならば、必要な解決策はテスターの増員ではなく、自動テストの項目を手動テストから除外すること、でした。
この対策なら、1人アサインさして大きな時間をかけずに済む内容でしょう。
この場合、なぜそんなにテスターの増員が必要になるのか、プロジェクトマネージャーが問題を掘り下げて確認しておけば回避できた損害になります。
まとめ
かなり雑な事例でしたが、仮に依頼・要望の背景を確認しない場合、こういったことがありえるわけです。 そこで、自身が依頼者の場合は問題の前提を踏まえて依頼をするのが好ましいですし、自身が依頼される側の場合は依頼者から問題の前提に関する説明がなければ自ら質問で引き出していく必要があるでしょう。