採用に関わる問題を応募者目線でみてパターン化する採用パターンカタログシリーズ。
今回は「情報非連携」です。
ターゲット
このシリーズのメインターゲットは企業の人事・採用部門の方です。
採用される側視点で感じる問題点を提供することで、求人・求職側のギャップが減るきっかけになるとよいかな、ということが狙いです。
念の為ですが、応募側からみた愚痴や求人を出す企業への批判・非難ではありません。
むしろ、転職後は採用にも関わりたいと思っているので、情報交換したいくらいです。
症状
カジュアル面談担当者、各段階での面接担当者で候補者の情報が共有されていない(ように見える)。
なお、候補者の発言の一貫性を確認するためにあえて同じ質問を繰り返す、ということがあると思いますがそれは今回の話題の外です。その範囲を越えるレベルで、情報共有されていないと実感できるケースが今回のケースです
問題
一般にカジュアル面談、各選考面接(一次、二次、最終等)では、それぞれ異なる担当者が窓口を担当します。
この際に、意図的なもの、意図していないものも含めて候補者の情報が共有されていないケースがあるように思います。
もちろん、面接という場ですべての意図を候補者と共有できないとはいえ、誤認が発生してはあらぬ噂が広まる可能性もあります。
要因
- 共有が必要という意識自体がないため、共有の仕組みがない
- バイアスがかからないようにあえて共有していないが、バイアスを回避するために必要なのは「個人の解釈からくる評価」の共有であり「候補者に関わる事実」は共有するほうが円滑という点を見逃している
- 情報共有しても事前に確認する余力がないくらい、面談・面接担当者の業務が忙しすぎる
面接官自身は候補者に1回しか会いませんが、候補者は「その会社の社員」である各段階の面談者・面接者と何度も会います。
そこで、何度も同じ質問をされることに関する視点が欠けていることになるのだと思います。
これは、面接される側視点だと
- 組織内で連携がとれていないのだろうか。部分最適化する組織かな?
- 冗長な業務をそのままにする傾向があるのだろうか?
ということで、辞退理由やその組織に対する悪印象を増やす要素になりかねません。
仮に、同じ質問をする明確な目的がある場合は、それを説明するとよいでしょう。
解法
候補者に関して得た事実は採用に関わる関係者で共有する。
※評価にバイアスをかけたくない場合は、事実のみを共有し、評価は選考が終わるまで共有しない
行動
- 候補者情報の共有が必要であるという認識合わせをする
- 候補者情報共有の方法を決める
- 面談、面接者は事前に情報を確認しておく
結果
求職者は各選考段階で同じ質問をされることなく、企業が「無駄な業務を行い傾向にあるのだろうか?」という疑念を持たずに済みます。
また、無駄のない面接になり相互に時間の節約となるか、無駄を減らした時間でより価値のある新たな情報に関する質疑ができます。
メモ
情報共有に関してうまくやっているなと思ったケースを共有します。
面談者がリアルタイムで会話しつつメモをとり、その内容をプロジェクターにうつしつつ
「会話の内容に齟齬がないようにメモを見てもらいながら記録しますね」
というケースがありました。
これは、こちらの発言が齟齬なくメモされた状態を保証できますし、おそらくこのあとの選考に進んだ場合は情報が共有されることも推測できます。
候補者からみて安心できる対応です。