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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

転職は挫折しやすい活動だ

転職活動は「個人の価値を否定されているような感覚に陥りやすい」以下のような特徴があると思います。
「個人の価値を否定されているような感覚に陥りやすい」=挫折につながりやすいという特徴がある、と言えると思います。
それらの特徴について説明します。

前提

ここに記載している内容は私個人の転職活動に関する具体的な内容ではなく、転職活動の特徴について一般化して考え、それによって発生する挫折について考えたものです。

転職活動が持つ挫折に加担する特性

フィードバックサイクルを回しにくい

基本的には不採用になった理由は教えていただけない。
企業によってはフィードバックをもらえることもあるが、少数派。
という点があります。

あくまで推測の中での試行錯誤になる、ということです。
そのため、失敗の原因に対する推測を誤ると、改善努力そのものが的外れになり、努力しても成功に近づくとは限らないことになります。

期待値が見えにくい

採用側が持つポジションへの期待値は大抵の場合、そこまで明確ではない事が多いと思います。
募集ポジションにはどのような役割・責務があり、それを成すにはどのような知識・スキルが必要で、どんな気質の人が適しているか。
細かく言語化できている例は稀だと思います。
逆にいうと、そこまで細かく言語化できている企業はおそらくレベルが高く、競争率が高いのではないかと予想します。

また、仮に企業内では期待値が明確になっていたとしても応募側にはあえて伝えずに、自ら推測して把握できる人を採用するということもありそうです。
逆に、期待値を明確に伝えたいけど、伝える能力の不足で伝わらない。そんなケースもあると思います。

期待値がわからないと、どこをアピールすればいいのかが分かりにくくなります。
あくまでわかるのは募集条件に記載されている情報と、その他の企業が外部にアウトプットしている情報から推測できる範囲になります。
更に難しいのが外部からみて「この企業はここに困っているのだろう」と推測した内容を企業側が自覚できていない可能性すらあります。応募先企業よりもあなたが賢過ぎたために落ちる可能性すらあるということです。

経験機会が少ない

何かのスキルを上達させるということは、それを繰り返し行い、できなかったものをできるようにしていくことです。
転職に関してはそもそも大抵の人にとって経験機会そのものが少なく、一括りに転職活動といっても受け入れ先の企業毎に必要となる対策が異なります。
そのため失敗から学び改善サイクルを回すことが難しくなります。
できるのは、あくまで「転職活動」という共通項の中での工夫と個別企業に対する推測からくる応募戦略次第になります。

本人ではコントロールできない要素の影響を受ける

景気や、同じ枠に応募してくる他の応募者や、求人企業の社内情勢の変化など直接本人にはコントロールできない要素によって合否が左右されるケースがあります。

まとめ

転職活動は上記のような特徴に加えてさらに「人生の一大事」であることから、ついつい責任を自分にもとめたり、失敗の原因がわからないことから不安ばかり膨らませて意欲がしぼみやすくなる、という構造になりやすいと考えました。
例えば、あなたは99点の素晴らしい候補だったかもしれませんが、1つの枠にたまたま別の100点の候補が現れたために落ちたのかもしれません。
逆に箸にも棒にも引っかからずに、転職活動以前に自力を大きく上げる必要があるのかもしれません。
しかし、不採用通知からはそれは一切読み取れません。

また、転職活動のような特殊な条件のものを勝ち抜いて行くために必要となる力は、その段階での手札に加えて「世渡り上手」と呼ばれるような「現実をどう生き抜けばよいか」ということを考える力・行動する力に依存する面がありそうです。
それらは、学校で習うようなものではなく、生まれてからこれまでに関わった人や育った環境の恩恵をどれだけ受けることができたか、という面に支えられて育つ能力といった特徴がありそうで、個人の努力とは別にたまたま機会に恵まれなかった場合に、苦労する面が大きくなりそうです。

こういった、挫折しやすい要素にぶつかった方を助けるための本である「挫折論への招待」を技術書典6で頒布しますので、楽しみにしていてください。
私も転職活動で4連敗中ですが、この本を参考にしているので過去の転職活動に比べると落ちた事実に対して冷静に向き合い、次のアクションを検討し続けることができているように思います。

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