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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

採用において個人と企業における情報透明性の価値があがる未来

現状の採用市場について以下の記事にまとめました。

tbpgr.hatenablog.com

ここでポイントとなるのは採用ターゲットが顕在層よりも潜在層にシフトしていることです。
企業側は待っているだけではなく、能動的に魅力をアピールするために採用ブランディングと採用マーケティングを行います。
個人はそれを元にカジュアル面談に訪れます。

あくまで、組織のビジネスが上手く行っていて、それによりよりよい環境づくりにコストをかけてあり、実際によりよい環境になっていることが大事です。
そのよりよい状態を知らせるために採用マーケティングをします。

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逆に、先に組織の中を改善せずに採用マーケティングだけしても短期的には人は採用できるかもしれませんが、離職率が高く、採用市場の競合と比較した場合にどんどん劣勢になるように思います。
以下は、採用マーケティングに多くの労力を注ぎ込んだが、その他をないがしろにしたケースです。

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ざっと採用の未来に関して考えてみました。

このように、潜在転職層向けの採用が加速する状況における採用がどうなるか、という点について考えてみました。
ここで、企業にとっても個人にとっても「嘘偽りの無い実績と」「情報の透明性」が重要になるのではないか、と考えました。

企業の情報透明性

企業に関する以下のような情報が包み隠さず公開されていることによって、潜在求職者にアピールしやすいと考えました。

  • ビジョン、ミッション、バリュー
  • 組織の環境
  • 所属する人

など、求職者が組織のビジョンやプロダクト・サービスの方向性に共鳴し、キャリア・アップに適していると感じ、人生の多くの時間を過ごす職場として魅力的に感じる状態になっている必要があります。
企業の噂は良くも悪くもインターネットで表に出やすくなっていくため、長期的には本気で良い環境にしなければエンゲージメントが下がり、それが外からの認識になると誰も集まらない組織になっていくと予想します。

ちなみに、最初からすべての組織が理想的な状態ではありません。
いい点も、わるい点も包み隠さず、向き合って改善していっている姿が重要なのではないかと思います。

※収支など、もともと旧来から求職者が確認していた情報は話題の対象外とする。確認しないという話ではない

個人の情報透明性

個人は、自動スカウトやカジュアル面談に備えて、その能力を証明する実績を作り込んでいると、よりよい企業にアピールしやすくなります。
いわゆるポートフォリオサイトにあたるものがあるとよいです。
また、リファラル採用をする側の視点で考えた場合にも社内に向けてポートフォリオのリンクを渡して声をかけるかどうかの相談をしやすくなります。

よりよい環境を提供し、所属する人のレベルが高い組織ほど入社への競争が激しくなります。
その環境に入るためには、自身の能力をできるだけ分かりやすい形で証明していく必要があります。
専門職など、能力をアウトプットを通して証明しやすい場合は、

  • 専門性を証明するアウトプット
  • 思考力がみてとれるようなアウトプット
  • 影響力がみてとれるようなアウトプット

などを表に出していくことが好ましいように思います。

この方式の究極系が先日話題になっていた azu さんの求職記事なのではないかな、と思いました。

組織と個人のアライアンス

透明性を高めた上で、個人と会社がお互いの目標達成のために期限を設けて合意をするような関係 = ALLIANCE のような考えを用いるケースが増えてくるのでは、と考えています。

tbpgr.hatenablog.com

終身雇用制とは相性が悪い考え方なので、古くからある企業では取り入れることが難しいと思いますが、ベンチャーの中にはこういった制度を取り入れる企業もでてくると考えます。
例えばリフカム社はこの仕組を取り入れています。

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まとめ

組織も個人もまずは価値を出す能力が高いことが大前提になります。
その上で、お互いが発見しやすくなるように外部にその情報を出していくことが重要になるように思います。

もちろん、表に情報を出していない人の中にも優秀な人は多く存在すると思いますが、
例えば同じ能力で、外から発見しやすい人と、発見しにくい(=採用コストが高くと採用リスクが大きい)人では前者が優位になりそうに思いました。