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知らずに敵を増やすかもしれない「コーダー」という言葉の使用

コーダーという名前には2つの意味と1つの誤用が存在します。
これにより、安易に「コーダー」という言葉を使うと知らず知らずのうちに敵を作る可能性があります。
このことについてまとめます。

コーダーという名前が持つ意味

HTMLコーダー

自分の周りではこの用法にあまり遭遇していないのですが、
静的コンテンツを作る会社さんとかで多い用法なのでしょうかね?

HTML、CSSを書く役割の人を表す。
特にポジティブ・ネガティブの意味合いを含まない役割を表す言葉です。

設計を伴わないプログラミングをする人

詳細設計書に基づいてコードを書く人。
Webサービス開発にいる人などからすると「設計と実装をやる人は分けられんでしょう?」という理解不能な面がありそうですね。

SIerの多重下請け体制などでは、日本語の擬似コードっぽい詳細設計書を元に
その日本語をプログラミング言語に置き換えるだけ、というような意味で
「コーディングする人」 = 「コーダー」というように語られるケースがある。

  • プログラマー - 設計も実装もする人
  • コーダー - 設計書を元に実装だけする人

この文章のままの役割の際にはスキルが低くても大丈夫なので、
揶揄する意味合いも含めて「コーダー」と呼ばれることがある。
単にこの役割を指してニュートラルに「コーダー」と呼ばれることもある。

で、「実際どうなのよ?」というと、日本語で書かれた設計書を元に
何ら設計の要素がなく実装がうまくいくことは皆無であり、
仮にそれが可能なレベルで詳細設計書を書いた場合、
プログラミングしたほうが早いため、役割分担のメリットとしては
「工数を2倍計上できて、人月単価がより多くとれる」ということぐらいになりそうである。

プログラマーの意味

設計も実装もするプログラマーのことを意図して「コーダー」と呼ぶ人がいる。
この場合は「プログラマー」と「コーダー」が同義語だと思って使っているケースになる。

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まとめ

コーダーには2種類の意味と1種類の誤用があり、読み手からすると「揶揄する意味合い」の可能性が残ります。
文脈から「この流れで使われているコーダーという言葉には悪意がないだろう」と読み取れる人ならよいですが、
瞬間湯沸かし人間的な人や、プログラマーをコーダーと蔑む人に村を焼き払われた人がみると、燃え広がる可能性があります。

ということで、コーダーという言葉を使う場合は注意が必要です。

※当然ですが、この記事については特に何ら揶揄する意味は含んでいません

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