リアルタイムで質の高い行動と探求を同時にする行動探求についてまとめます。
行動探求とは?
行動(Action)と探求(Inquiry)を同時に、リアルタイムで行うことです。
その領域は個人、チーム、組織へと渡る。
これができることで、自己変容が可能となる。
そして、その結果としてより創造的で自覚的で持続可能になる。
前提となる知識を知っていること。
ものごとの原因と結果、構造、意図などの存在をリアルタイムで意識できること。
理想と現実のギャップを把握したら、軌道修正すること。
などが必要となる。
具体例
このブログの読者はシステム開発者が多いだろう、という前提のもと例示します。
ウォーターフォール開発とアジャイル開発の大きな違いはサイクルの短さによるズレの補正力です。
計画型のプロジェクトは後ろの工程に行くほど変更コストが大きいため、
プロジェクト中の変化が起こりにくいです。
アジャイル型開発は短いサイクルを回すため短い期間で振り返りが実施され、
細かく軌道修正しやすいです。
行動探求はより極端にこれをリアルタイムで行います。
そもそも期間が空くとその場その場で得られた気づきや事実や忘れやすいものです。
行動探求ではその場その場で理想と現状の差について探求しながら行動するため
常に軌道修正している状態です。
レベルと領域
行動探求にはレベルと領域の組み合わせがあります。
レベルには個人・二者間・集団があります。
例えば、個人であれば
- 事象の影響を理解します - 小雨が振った
- その影響をもとに行う振る舞いを理解します - 傘をささない
- 振る舞いのもととなる思考・感情などを理解します - 面倒
のような感じでしょうか。(目的レベルはない例なので省略)
例えば、行動探求の結果、小雨のあとによく風邪を引いている事に気づいたとします。
- 事象の影響を理解します - 小雨が振った
- その影響をもとに行う振る舞いを理解します - 傘をさす
- 振る舞いのもととなる思考・感情などを理解します - 風邪をひきたくない
というように行動が変容します。
日本語
領域/レベル | 個人レベル 主観の注意 |
二者間レベル 相互主観の注意 |
集団レベル 客観の注意 |
---|---|---|---|
第4領域 | 目的 意図 |
枠組み | ビジョン 使命 |
第3領域 | 思考 感情 考える 感じる |
主張 | 戦略 |
第2領域 | 挙動 振るまう |
説明 | 実行 行動 |
第1領域 | 影響の理解 | 問いかけ 傾聴 |
評価 |
行動探求の目的 | 自分自身の中により高い 誠実さを生み出す |
相互性 複数の視点で現実をとらえ、 皆で結果に責任を持つ |
持続可能性 自分たち自身を超えて 人・知識・資源を組織化する |
英語
territory/level | First-Person Attention | Second-Person Speaking | Third-Person Organizing |
---|---|---|---|
Fourth territory | Intending | Framing | Visioning |
Third territory | Thinking/Feeling | Advocating | Strategizing |
Second territory | Sensing/Behaving | Illustrating | Performing |
First territory | Effecting/Perceiving | Inquiring | Assessing |
7つの行動論理
論理名 | English |
---|---|
機会獲得型 | Opportunist |
外交官型 | Diplomat |
専門家型 | Expert |
達成者型 | Achiever |
再定義型 | Redefining |
変容者型 | Transforming |
アルケミスト型 | Alchemist |
詳細は下記を参照
まとめ
先日記事にまとめた個人的なノウハウですが、実は行動探求の強化に役立ちそうだということに気づきました。
妙にものごとのに対する洞察力が鋭く、リアルタイムでズバッと的確な行動や意見を出せる人というのは
行動探求に優れているのかもしれませんね。
関連書籍
行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ
- 作者: ビルトルバート,小田理一郎,中小路佳代子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/02/23
- メディア: 単行本
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