あなたにとっては難しいことを「 そんなの簡単だよ 」と言われたことはありますか?
あなたにとっては簡単なことを「 それは難しいね 」と言われたことはありますか?
「簡単」というのは人によって異なります。
「簡単」は「難しい」のかもしれません。
では「簡単」を分解して「難しい簡単」から「簡単な簡単」の集まりにしてみましょう。
簡単とは
- 単純で理解が容易なこと
- 時間や手間がかからないこと
今回は 1. に関する話です
簡単格差とは?
※ 簡単格差はここで便宜上作った呼称です。正式に存在する用語ではありません。
人が物事を「簡単」と感じるかどうかは様々な要素で構成されており、
各要素の能力・知識が多いかどうかで結果は大きく変わってきます。
ある人物Aが簡単だと感じている対象と、
それに対して人物Bが感じる簡単さ(難しさ)の差を 簡単格差 と呼ぶことにします。
簡単の構成要素
人が物事を「簡単である」と感じる場合、どのような要素が関わっているでしょう?
- 既存の知識
- 類似問題の経験
- 推理力
- 調査力
- 思考手法
このようなものがあるでしょう。
(他にもあるでしょう)
既存の知識
学習済みの知識そのものや、それを前提としたもののみで構成される問題は
その人にとって簡単である可能性が高まります。
類似問題の経験
似たような問題に遭遇したことがある場合、
その人にとって簡単である可能性が高まります。
推理力
自分の推理力を元に推理可能であろう、
というあたりが付く問題はその人にとって簡単である可能性が高まります。
調査力
自分の調査力を元に調べればわかるだろう、という問題は
その人にとって簡単である可能性が高まります。
思考手法
例えば難しい問題を分割する思考手法があります。
この考え方に慣れている人は大きな問題を小さな問題の塊としてとらえ、
どのような問題で構成されるのかを紐解き、個別の小さく簡単な問題として
一つずつ解決することに慣れています。
そのため、一見難解そうな大きめの問題に出会っても、
ぱっとみて分割が容易そうであれば「これは簡単だね」という感想をもつでしょう。
図解
以上のことを図にしました
簡単格差がもたらす影響
「簡単側」から「難しい側」へ
ある事象Aを 「簡単」だと感じている X さん がいます。
X さんは Y さんに「事象Aは簡単だよ」と説明してタスクを依頼しました。
Y さんは「事象Aは難しい」と感じています が、先に「簡単だよ」と言われてしまったため
質問しにくくなってしまいました。
結果として Y さんは事象Aを解決するのに X さんが想定しているよりも
多くの時間がかかる か 解決そのものができない 、という結果に陥るでしょう。
もちろん、 X さんに「簡単だよ」と言われても Y さんが「いや難しいよ」と
気兼ねなく返せる間柄であり、その際に X さんが二人の「簡単格差」の間にある問題を
把握して説明できれば問題ありません。
つまり、その場の 心理的安全性が高いかどうか に依存します。
「難しい側」から「簡単側」へ
ある事象Aを 「難しい」と感じている B さん がいます。
B さんは C さんに「事象Aは難しいよ」と相談します。
しかし、どのように 具体的に「難しい」のか説明するのは難しい ものです。
なぜならどうやったら簡単になるのかが分かっていないから難しく感じているためです。
ここではCさんが難しさを分割し、相手の理解度を確かめつつどの部分でつまずいているのかを
探り当てていくことで「難しさ」を緩和していくことができます。
まとめ
私には3人の娘がいます。
自分にとっては簡単なことを娘達に分かりやすく説明する難しさに日々遭遇しています。
そういったことからこの内容をまとめてみました。
簡単格差の解消は、 簡単だと感じている側の配慮 でなりたっているように感じます。
相手が「どこまで前提知識を持っているか?」「どの程度の思考手法を使っているか?」など、
これらをヒアリングしたり、反応をみたりすることによって引き出し、類推します。
また、前提として「 相手のことをできるだけ多く知ること 」も大事です。
基本的な知識レベルが高かったとしても、特定の思考法や調査法を知らないために
簡単格差 が発生する、というようなケースもありそうです。
そして、なにより「 知らないことは悪くない 」「 知っていることは偉くない 」という謙虚な姿勢が
必要であるように感じます。
メモ
- 簡単格差とは別に「物事に取り組むやる気」自体がない相手の場合は原因が分かっても解消は難しい
- 伝え方を工夫すると円滑に運ぶ。「そんなことも知らないの?」というスタンスで話すと正しい内容も受け入れてもらえないかもしれません。
- 仕事として取り組んでいる場合は、コストパフォーマンスの話もでてきます。簡単格差があまりに大きな場合はあえて格差を埋める努力はしない、という選択もありそうです。「 それ、そもそも採用がry 」という事案ですね
- 時間の希少性に対する認識が強いなら仕事に限らない話ですね
関連資料
下記の記事は図解をする際に参考にしました
類似した内容の記事です
心理的安全性については下記が詳しいです