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Employee Experience Engineer tbpgr(てぃーびー) のブログ

書籍 LEAN ANALYTICSのまとめ

副業の現場で Re:dash 担当になったため、書籍 LEAN ANALYTICS を購入しました。

LEAN STARTUPには短いサイクルのフィードバックループが必須です。
LEAN ANALYTICSではループ中の計測にフォーカスしています。

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3行まとめ

ビジネスのステージに応じて
OMTMの考えに基づいて一つの指標に絞って数値化・可視化することで
作れるものを作るのではなく、売れるものを作るための意思決定材料を得る

※OMTMについては下記を参照

tbpgr.hatenablog.com

気になった点を抜粋

優れた指標とは?

  • 比較可能
    • 時間軸、ユーザーグループ、競合などと比較することで判断材料にしやすい
  • 分かりやすい
    • 数値がわかりにくいと議論しにくくなる
  • 比率や割合である

優れた指標は行動を変える。

逆に行動につながらない値を指標にしても、無駄に指標を見る時間が増えるだけだ。 例えば

  • PV
  • 訪問数
  • フォロワー数
  • ダウンロード数

などは、増加数をみて盛り上がるかもしれないが
それ自体は特に行動にはつながらない。

リーンアナリティクスのステージ

ビジネスについて考えるフレームワークには
リーンキャンパス、リーン・スタートアップ、海賊指標(AARRR)、成長ピラミッドなどが存在するが、
書籍 LEAN ANALYTICS では リーンアナリティクスのステージ を提唱している。

リーンアナリティクスのステージ は以下のようになっている

ステータス(英) ステータス 状態
Empathy 共感 まだ満たされていないニーズを見つける状態。インタビューをしたりする
Stickness 定着 問題をどう解決するか発見し、お金を払ってもらえるようにする状態。拡大前に質を上げる
Virality 拡散 製品を正しく作り、ユーザーを拡大していく状態。会員システム、紹介システムなど
Revenue 収益 利益構造を構築していく状態。コスト削減など
Scale 拡大 事業を広げていく状態。店舗拡大など

OMTM

OMTMとは One Metric That Matters の略で、
現在のステージにおいて最も重視して着目すべき数値のことです。 冒頭の3行まとめからの繰り返しになりますが、詳細については下記記事を参照ください。

tbpgr.hatenablog.com

ビジネスモデルの種類

ビジネスモデルは

  • 獲得チャネル
  • 販売戦略
  • 収益モデル
  • 製品種別
  • 提供モデル

などの組み合わせによって非常に多くのバリエーションが存在する。
書籍中では6つのビジネスモデルに単純化している。

  1. ECサイト
  2. SaaS
  3. 無料モバイルアプリ
  4. メディアサイト
  5. ユーザー制作コンテンツ
  6. ツーサイドマーケットプレイス

まとめ

今いるステージに合わせて一つの指標を決めて意思決定していく、というのはとても分かりやすいですね。
スタートアップは時間も資源も限られているケースが多いでしょうし、あれこれ手を出して
実はそのステージでは必要ないことにリソースを割いていた、なんていうこともよくあるのではないか?
という想像ができました。

書籍ではリーンアナリティクスの各ステージに関する詳細な説明や、
6つのビジネスモデルごとにどのような指標が有効になるか?などについて
説明や事例が多く掲載されています。

指標を決定する人、分析する人、直接担当しないが理解しておきたい人。
色んな人におすすめの書籍だな、と感じました。

参照

Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)

Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)