ミーティングでいつまでも話がすり合わず、よくよくやりとりしてみたら論点がずれてただけだった。曖昧な問題点がでてきたが、曖昧なまま解決策に以降してしまって結局解決に失敗した。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
こういったときに、話の論点を合せるのにちょうどよい手法があります。
- チャンクアップ
- チャンクダウン
です。それぞれについて説明します。
チャンクアップ - Chunking Up
チャンクアップとは具体的なものからより抽象的、一般化したものを引き出すこと。また、目の前の目的からより上位の目的を引き出すことです。
例えば、 コルブの経験学習 でいうところの「概念化」で役立ちます。
例
A さんの個人のふりかえりの例を考えてみます。
- A さん「ツイッターで疑問を発していたらフォロワーさんから正解へのヒントを教えてもらえた」
- A さん「ツイッターに限らず疑問を表に出していたら解決への糸口が増えると考えられそうだ」 ← チャンクアップ
チャンクダウン - Chunking Down
チャンクアップとは抽象的なものからより具体的なものを引き出すこと。また、上位の目的から下位の目的にブレイクダウンしていくことです。
例えば、なにか大雑把に問題がわかっているときに、その要因を細かく把握したいとき具体を引き出すチャンクダウンが役立ちます。
例
- Aさん「C さんには荷が重いです。」
- Bさん「C さんのどのようなスキルが足りないために荷が重いと考えるのですか?」 ← チャンクダウンの質問
- Aさん「自走力ですね。」
- Bさん「自走力とはもっと分けるとどのようなスキルがある状態ですか?」 ← チャンクダウンの質問
- Aさん「仕事の意味を理解すること、適切に意思決定をすること、あと・・・・」
おまけ
チャンクアクロス - Chunking Across
チャンクアクロスとは、同じ抽象度の他のものを引き出すことです。
例えば、犬の種類としてシベリアンハスキ-について考えていたら、ゴールデンレトリバーやボルゾイについても考える、というようなものです。
例えば、同レベルの抽象度にあわせてアイデア出しをするときなどに役立ちます。
まとめ
適切な粒度を気にし、コントロールするという意味ではプログラミングにおけるクラス、メソッド粒度の設計にも似ていますね。そういう意味ではプログラマにとってはとっつきやすい概念かもしれません。
補足
チャンクアップ、チャンクダウンを使うにはまず前提として
- この話のそもそもの目的はなにか?
- 今、話の論点はどこか?
- 「今、話の論点はちょうどよいか?抽象的すぎるか?具体的すぎるか?」が把握できているか?
- ここから具体を引き出す必要があるか?
- ここから上位の論点を確認する必要があるか?
ということが判断出来る必要があります。