字は読み書きできるけど、正しく理解できない。
そんな話題が時折現れます。例えば以下。
そこで、機能的非識字についてまとめてみたいと思います。
機能的非識字とは?
機能的非識字(きのうてきひしきじ、英語:Functional illiteracy)とは、個人が日常生活において、読み書き計算を機能的に満足に使いこなせない状態を指す。機能的文盲、機能性文盲とも。 読み書き計算を機能的に使いこなせる状態である機能的識字、機能的リテラシー(Functional literacy)と対義語的に用いられる
※ wikipedia より
一般的に「日本は識字率が高い」と言われるのは、単に字を読み書きできる部分に関する話であり、日常生活でその内容を正しく理解し、有効活用できるかどうかのレベルに関しては機能的非識字の話になる。
少し前の話題としては、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の読解力がない子どもたちの話にも通じるところであろうか。
機能的非識字と時代背景
時代背景の関連で「ただ言われたことを真面目にやればいい」と言う種の仕事はどんどん減ってくる。
自発的に考え、選択し、行動することが必要となる。
そういった意味で昔よりも機能的非識字のもたらす影響が大きくなっていると考えられそうです。
機能的非識字のグラデーション
機能的非識字といっても、すっぱりと true or false で分かれるというよりは、その対象の難易度によって、どこまでは理解できる、どこからは理解できない、と言うラインがあるのではないかと想像します。
機能的リテラシー < 読解難度
なら機能的な識字が失敗している状態となり、
機能的リテラシー >= 読解難度
なら機能的な識字が成功している状態となるのだと思います。
機能的非識字の緩和
機能的非識字のグラデーションの説明から、伝える内容自体の難易度をできるだけ下げることで、理解を補助することはできそうです。
- 要点が明確である
- 文章の読解難度が低くしてある
- 明示的である
- 簡単な言葉で構成されている
- 一文が短い
このあたりは、結城浩先生の数学的文章作法で鍛えることができそうです。
まとめ
メッセージを伝える層が広範で、機能的非識字の人も含まれると想定するのなら、それ相応のメッセージ内容を意識するとよいように思います。
それとは別に機能的非識字自体の問題は、幼少期からの学習機会を得るための環境差によるのかな、という想像をしました。
この点に関しては個人レベルで解決するのが難しいので論点から外しています。